春の汗は臭いが気になる悪い汗?原因と対策を知ろう~4月の空と暮らす~

春にかく汗は”一番臭う”と言われています。夏の方がたくさん汗をかくのに、なぜ春の汗は臭うのか、その原因と対策をご紹介します。

4月は季節の進みが早い

4月も、3月と傾向が似ていて、高気圧と低気圧が交互に日本を通過しやすい時期です。天気は、数日の周期で変わり、晴れの天気はなかなか長続きしません。気温も、天気の変化に併せて、日ごとの変化が大きく、日々の寒暖差に注意が必要です。
ただ、着実に夏へと季節の歩みを進めていて、1か月の中で最も季節の進みが早い月と言えます。最高気温の30年平均値を、春(3~5月)の月初5日間と月末5日間とで比べてみると、4月の気温変化が最も大きくなっています。例えば、東京は、3月に3.6℃ですが、4月は4.3℃。月の初めと終わりで30年平均の最高気温が約4℃も上がっているんです。札幌は、さらに気温の上がり具合が大きく、4月は6.3℃も高くなっています。

春の身体は汗をかく準備ができていない

気温が上がり始めると、汗ばむ機会も増えてきます。汗は身体から蒸発する際、身体の熱を奪って、体温を下げる働きをしています。私たちは汗をかいて体温を調節しているんですね。身体にとってとても重要な働きですが、春のこの時期は、私たちの身体の汗をかく機能が低下していて、うまく汗をかけないんです。

うまく汗がかけない原因は、休眠汗腺という現象が理由です。冬の気温が低い時期は、汗をかく機会が少ないため、発汗機能が休みに入ってしまいます。気温が上がり、休んでいた汗腺が働き出すと、ナトリウムなどの不純物を多く含んだ汗をかいてしまいます。不純物を含んだ汗は、ベトベトして乾きづらく、皮膚の表面で細菌が増殖することで、汗の臭いが強くなります。汗腺が働き始めた時期にかく汗だからこそ、臭いがきつくなってしまうんですね。

自分の汗が、臭いに注意が必要なのかどうかは、汗の状態で判断することができます。
サラサラとした汗の方は、良い汗をかけています。普段から汗をかく習慣があるのではないでしょうか。一方、大粒でベトベトした汗になってしまっている方は、悪い汗になってしまっています。乾きにくいためニオイ対策をしながら、積極的に汗をかき、低下していた発汗機能を蘇らせましょう!

おすすめ対策で脱・悪い汗!

対策① 発汗機能を鍛えよう
まずは、サラサラした汗をかけるよう、発汗機能を鍛えましょう。天気が良い日には、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をしてみてはいかがでしょうか。そらトレでは、運動の始め方を紹介しています。ぜひ参考になさって下さい。
ジョギングの始め方(https://sorakura.jp/20221112201-2/
ランニングの始め方(https://sorakura.jp/20221210201-2/

また、入浴やサウナで、積極的に汗をかくのもおすすめです。

対策② 発汗を妨げない衣類を選ぼう
かいた汗がすぐに乾くよう、通気性・速乾性にすぐれた衣類を選びましょう。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維のインナーが多いですが、肌が弱い方は、綿やシルクなどの天然素材のものがおすすめです。

汗が乾くまでに時間がかかると、皮膚の上で雑菌が繁殖し臭いの原因になりますので、汗ふきシートや制汗剤などのデオドラント商品を使用するのも効果的です。

 

参考資料
「汗はすごい 体温、ストレス、生体のバランス戦略」菅屋 潤壹 ちくま新書
厚生労働省 職場における熱中症予防マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000636115.pdf