JPCZの形成される原因や天気図の特徴

<ポイント早わかり>
  • ① シベリア高気圧から吹き出す季節風が日本海で合流することでJPCZが形成される
  • ② 日本海で等圧線が “くの字状”にくぼんでいる天気図を見かけたら注意が必要
  • ③ 東北南部や、北陸から山陰の日本海側を中心に短時間で積雪が急増するおそれがある

JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)とは

JPCZとは“Japan sea Polar air mass Convergence Zone”の頭文字をとったもので、日本語にすると日本海寒帯気団収束帯です。冬型の気圧配置のときに日本海で形成され、1,000kmぐらいにわたる収束帯(雲の発達しやすいライン)です。
JPCZが形成される原因は、シベリア高気圧から吹き出す季節風にあります。シベリア高気圧は背の低い高気圧のため、そこから吹き出す季節風は長白山脈(中国と北朝鮮の国境付近に位置する2,500m級の山を含む山脈)を越えられず、いったん二手に分かれます。そして、風下にあたる日本海で合流すると収束帯が形成され、雪雲が発達しやすくなります。

JPCZができるときの天気図の特徴

JPCZができるときの天気図は、①西高東低の冬型の気圧配置となっていて、②日本海で等圧線が “くの字状”にくぼんでいることが特徴です。
西高東低の冬型の気圧配置とは、日本からみて西側に高気圧、東側に低気圧がある気圧配置のことで、日本付近の等圧線が縦じま模様になります。西高東低の冬型の気圧配置になっているときに、日本海で等圧線が “くの字状”にくぼんでいるのがJPCZの特徴で、“くの字状”の部分では収束帯ができ、JPCZが形成されている、あるいは今後形成される可能性が高いと言えます。

JPCZの影響を受けやすい地域とは

JPCZが形成されると、東北南部や、北陸から山陰の日本海側を中心に雪雲が次々と流れ込んで、短時間で積雪の急増するおそれがあります。寒気が非常に強い場合には、岐阜県や愛知県など太平洋側の地域にも雪雲が流れ込むことがあり、大雪になる可能性があります。

大雪が予想される場合に注意すべき情報

① 大雪または雪に関する早期天候情報

11~3月の期間に、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい降雪量となる可能性が高まると発表されます。発表される地域は、主に日本海側です。およそ1~2週間前に出されるため、早めに対策を進めることができます。

② 早期注意情報(警報級の可能性)

5日先までに警報級の現象が予想される場合、可能性が[高]と[中]の2段階で発表されます。おおよその対象地域や予想降雪量が出され、[高]や[中]が発表されている場合は、事前に災害に備えることが大切です。

③ 大雪に関する気象情報

警報・注意報に先立って、大雪に対する一層の警戒を呼びかけるために発表されます。大雪警報の基準を大幅に上回ったり、雪に慣れていない地域で警報級の降雪が予想されたりする場合に発表されます。

④ 大雪警報・注意報

警報は3~6時間先に重大な災害が発生するような場合に発表されます。警報や注意報の基準は地域によって異なります。記録的な大雪で、その後も警報級の雪が1日程度以上続くと予想される場合は、大雪特別警報が発表されます。

⑤ 顕著な大雪に関する気象情報

短時間で大雪になり、重大な災害の発生する可能性が高い場合に発表されます。対象地域は、山形県、福島県(会津地方)、北陸地方、滋賀県、京都府、兵庫県、中国地方です。この情報が発表された場合は、不要不急の外出は控えてください。
<参考・引用>
・気象庁 「大雪に関する気象情報」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/ooyuki_joho.pdf

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