冬型の気圧配置の特徴と里雪型・山雪型とは

<ポイント早わかり>
  • ① 西高東低の冬型の気圧配置は、主に日本海側で雪が降り、太平洋側は晴れて乾燥する
  • ② 冬型には山間部で大雪となる“山雪型”と、海沿いや平野部で大雪となる“里雪型”がある
  • ③ 豪雪地帯では、雪の重みによる建物の倒壊・損壊や、除雪作業中の事故に注意が必要

西高東低の冬型の気圧配置の特徴とは

“西高東低の気圧配置”あるいは“冬型の気圧配置”とは、西の大陸側にシベリア高気圧という冷たく乾燥した高気圧が、東の北太平洋に低気圧が居座っている状態です。この気圧配置になると、日本付近はシベリア高気圧から吹き出す北西の季節風によって、日本海側を中心に雪が降り、奥羽山脈や越後山脈、飛騨山脈といった標高の高い山脈を越えた太平洋側は晴れて、冷たく乾燥した“からっ風”が吹き降ります。シベリア高気圧の勢力が強まったり、低気圧が発達したりするほど、冬型の気圧配置は強まり、強い寒気が流れ込むことになります。日本列島に等圧線が5本以上かかっていると“強い冬型”の目安とされます。
シベリア高気圧は背の低い高気圧のため、そこから吹き出す季節風も基本的に山脈を越えられないのですが、強い寒気によって太平洋側にも雪雲が流れ込むことがあります。代表的な例は、若狭湾から標高の低い岐阜県の関ヶ原付近を抜けて、東海地方で大雪となるケースです。

山雪型と里雪型とは

冬型には「山雪型」と「里雪型」の2パターンがあります。どちらも日本海側中心に影響を及ぼしますが、雪の降りやすい場所が異なります。
山雪型は、南北にのびる等圧線が縞模様になって天気図に現れるのが特徴で、主に山間部に大雪をもたらします。一方、里雪型は、等圧線が日本海で袋状にたるみ、主に海沿いや平野部で積雪が増えます。

豪雪地帯で特に気を付けるべきことは

① 雪の重さによる建物の倒壊・損傷

雪の重さは、雪の状態によって大きく異なります。降ったばかりの新雪は比較的軽く、重みで固まったり、とけたり凍ったりを繰り返したりするほど重くなり、ざらめ雪は新雪の倍以上もの重さとなります。
例えば、一坪(約3.3㎡)の屋根の上に300kg/㎥の密度の雪が1m積もっている場合は、約1tの重さがのっている計算です。人間が約17人分(1人60kgと想定)の重さとなりますので、かなりの負荷がかかることが分かるでしょう。雪の重さによって、屋根が損壊したり、積雪が多い場合は倒壊したりする可能性もあります。

② 除雪作業中の事故

除雪作業中に転落したり、屋根からの落雪に埋もれてしまったりする事故は毎年のように起こっています。
雪下ろしなど除雪作業はこまめに行い、比較的気温の高い日は落雪の危険が高い軒先に近づかないようにしましょう。また、除雪作業は必ず2人以上で声を掛け合い、安全を確保して行うようにしてください。
<参考・引用>
・気象庁 「山雪 / 里雪」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/j_climate/hokuriku/column02.html

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