内水氾濫の起こる原因と備え

<ポイント早わかり>
  • ① 内水氾濫は雨量が排水機能を上回ることで、外水氾濫は川の氾濫や堤防決壊で発生する
  • ② 内水氾濫は都市部や地下街、くぼ地などの標高の低い地域で起こりやすい
  • ③ まずはハザードマップで浸水のリスクを知り、避難する際はなるべく早く高い場所へ移動する

内水氾濫と外水氾濫とは

堤防を境に、内側の市街地にある水は「内水(ないすい)」、外側の河川の水は外水(がいすい)といいます。
市街地で短時間にまとまった雨が降ると、下水道などの排水施設の処理が追い付かなくなったり、川の水位が上昇することで下水道から川へ放流できずに溢れ出したりしてしまうことがあります。そのようにして、市街地の側溝や排水路、下水道などで起こる浸水害を「内水氾濫」と呼び、川の氾濫や堤防の決壊が原因の「外水氾濫」と区別されます。

内水氾濫の起きやすい場所

内水氾濫は、特に都市部で深刻な被害をもたらしています。その原因として、都市部はコンクリート化が進み、水がしみこみづらいことがあります。また、地下街や地下道の発達している場所では、地下に水が流れ込みやすいため、注意が必要です。
さらに、くぼ地のような地形の場所など、標高の低い地域も雨水が溜まりやすく、内水氾濫が起こりやすくなります。

バックウォーター現象とは

大雨で川や用水路の水位が上昇することで起こる現象に「バックウォーター現象」があります。
川や用水路の本流と支流が合流する地点で、本流の水位が上昇して支流に逆流したり、せき止められたりし、川が決壊するおそれがあります。市街地でもたびたび起こり、水害の原因となっています。

ご家庭でできる対策や避難する際の注意点

・ハザードマップを確認してリスクを把握する

まずは、ハザードマップでお住まいの地域の浸水のリスクを知りましょう。内水氾濫のハザードマップがない地域は、洪水のハザードマップや過去の浸水被害を確認してみてください。
自宅や会社、学校などの周辺はもちろん、避難場所や避難経路もあわせて調べるようにしましょう。

・雨水ますの掃除や土のう・水のうの用意

自宅前の道路の雨水ますに落ち葉やゴミが溜まっていると、水が流れ込みづらくなります。定期的に掃除をするとよいでしょう。
また、大雨が予想される場合は土のうを設置することで、自宅内へ雨水が流れ込むことを軽減することができます。土のう袋はホームセンターなどで購入することができます。また、若干強度は落ちますが、土砂の代わりに水を入れた水のうであれば、比較的簡単に準備することが可能です。

・避難の際は早く上に逃げる

大雨で避難する際は、地下から地上へ、地上では頑丈な建物の2階以上や高い場所へ逃げてください。停電や水圧で扉が開かなくなる可能性もありますので、水が溜まる前に早めに避難しましょう。すでに屋外への避難が困難な場合は、建物の中でも川や崖から離れた2階以上の部屋に移動してください。

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