土日は空気ヒンヤリで『暑熱順化』リセットの可能性!来月1日からは職場の熱中症対策は『義務化』に

今週は、20日(火)に都心で今年初めて30度以上の真夏日が観測され、翌日21日(水)には岐阜県内で全国初めて35度以上の猛暑日が観測されました。ただ、明日24日(土)から25日(日)は全国的に雨が降り、空気がヒンヤリと感じられそうです。
この時期から行っておきたい暑熱順化(しょねつじゅんか)と来月から義務化される職場の熱中症対策に関して気象予報士が解説していきます。

土日は空気ヒンヤリ!『暑熱順化』もリセットの可能性

土日は、低気圧が通過するため、全国的に雨が降るでしょう。日中の気温も20度前後にとどまり、雨が降ってヒンヤリと感じられそうです。今週は半袖シャツが活躍しましたが、半袖一枚でのお出かけはやや肌寒いでしょう。カーディガンなどの羽織る物があると安心です。
本格的な夏を前に体を徐々に暑さに慣らしていく『暑熱順化(しょねつじゅんか)』ですが、この週末の気温の低下で一度リセットされてしまう可能性があります。
来週は前線の位置次第で、気温の傾向が変わりそうです。現段階の予想では、来週中頃は前線が一旦、南の海上に離れ、晴れ間が出て、気温がグンと上昇しそうです。場所によっては、真夏日近い暑さとなります。熱中症対策のためにも『暑熱順化』が大切になるでしょう。

『暑熱順化』は何をするのがおすすめ?水分をしっかりとりながら進めて

暑熱順化
暑熱順化がリセットされてしまう状態では、汗の塩分濃度が高く、乾きにくい汗となりますが、暑熱順化が完了した状態では、汗に含まれる塩分は少なくなり、熱を発散しやすく、汗が渇くことによって体温を下げることができます。汗が口に入った時に塩っぽいと感じるときは、暑さに慣れていない証拠です。
暑熱順化の例
暑熱順化としては、入浴をシャワーだけで済まさず湯船に浸かったり、サウナに入ったり、適度に運動をすることがおすすめです。いずれも汗をかくことを目的としていますので、こまめに水分をとりながら行ってください。

来月6月1日から職場における熱中症対策は『義務化』

来月6月1日(日)からは、労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症の対策が義務化されます。一昨年2023年と昨年2024年は、記録的な猛暑となり、熱中症による死亡事故件数が年間で30名となっていて、多くなってしまっています。今年2025年も猛暑となる可能性が高いため、特に屋外での作業は例年以上の熱中症対策が必要になるでしょう。
今回の改正によって、熱中症になった方を早めに「見つけ」、医療機関に搬送するなどの「判断し」、的確に「対処する」必要があります。
WBGT(暑さ指数)とは
まずはWBGT(暑さ指数)を確認しましょう。WBGTは気温だけではなく湿度や輻射熱(日差し)を考慮した指数です。WBGTが高い場合は、作業を変更したり、対策をとったりすることが大切です。
熱中症の具体的な対策としては、冷房の効いた涼しい休憩場所の整備など作業環境を管理し、健康管理・作業管理を行い、リーダークラスの方は、労働衛生の教育を行うようにしましょう。

<参考>
・厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf