【気象予報士が解説】大気不安定が続く原因となる『寒冷渦』とは?落雷対策も併せて見直しを

今週前半は全国的に晴れていても天気の急変に注意が必要な状態が続きます。
気象予報士が落雷の起きやすい原因やいま見直したい落雷の対策を詳しく解説します。

なぜ影響は長引く?『寒冷渦』が原因

大気の不安定な状態は今週前半の15日(火)頃にかけて続く予想です。
影響が長引く原因の一つは『寒冷渦(かんれいうず)』と呼ばれる低気圧です。
寒冷渦は低気圧の一種で、上空の強い西風である偏西風(へんせいふう)から切り離されているため、動きが遅い特徴があります。寿命が長く、時には10日以上も影響が続き、特に大陸に寒冷渦がある場合は、日本付近は、上空には寒気が、地上には暖かな南風が吹き込み、大気の不安定な状態が続き、注意が必要です。

今週前半の落雷に注意が必要な期間やエリアは?


今日13日(日)は東北から中国・四国で本降りの雨が予想され、特に関東周辺では夜に雷を伴って雨脚の強まる所があるでしょう。

週明けとなる14日(月)も東北南部から九州を中心に大気の状態が不安定です。晴れ間の出る所も多いですが、午後を中心に天気が急変してザーッと雨脚の強まる可能性があります。
あさって15日(火)も九州から北海道の広い範囲で雨の降りやすい状態が続き、このタイミングで寒冷渦が本州付近を通過するでしょう。
西日本を中心に14日(月)から15日(火)は竜巻などの激しい突風の発生する可能性もあり、変わりやすい天気に注意が必要です。

いま見直したい雷雲の接近のサインと緊急時の対応は?

天気急変のサイン
まずは、天気の急変する3つのサインを確認しましょう。
天気が急変する前には、①真っ黒い雲が近づいてきた②雷の音が聞こえてきた③急に冷たい風が吹いてきた、という3つのサインがあります。どれか1つでも当てはまれば積乱雲=雨雲の近づいてくる可能性があります。
発達した雨雲・雪雲が近づいてくるサインに気が付いたら、頑丈な建物の中に速やかに避難してください。木造の建物や自動車も基本的には安全です。
雷しゃがみ
屋内への避難が難しい場合は、高い木の近くは危険ですので木の下で雨宿りをすることはしないでください。緊急時は、①頭を下げてしゃがんで姿勢を低くし、②両手で両耳をふさぎ③足を閉じてつま先立ちをする、いわゆる「雷しゃがみ」をしてください。雷が止んだ後は20分以上経ってから安全な場所へ移動するとよいでしょう。

<そらくら関連サイト>
・1mmの雨ってどんな雨?気象予報士が解説
https://sorakura.jp/20230518201/

・外出前にチェック!雨雲レーダー
https://sorakura.jp/radar/

・記録的短時間大雨情報とは?
https://sorakura.jp/case004/