今週の天気のポイントは“発達する低気圧” 春一番の可能性高まる!
今日10日(月)は北日本中心に冬型の気圧配置となっていますが、建国記念の日の明日11日(火・祝)には冬型がゆるんで、明後日12日(水)から13日(木)は日本海の低気圧が発達しながら通過する予想となっています。南から湿った空気が流れ込むため、広く雨となり、風も強まって、全国的に荒れた天気となるでしょう。
気温の傾向はこの低気圧の通過に伴い、大きく変わりそうです。明日11日(火・祝)までは東・西日本でも10度に届かず、この時期らしい寒さとなる所がありますが、その後は土日にかけて、平年並か平年を上回る気温となるでしょう。先週から長く居座っていた今季最強寒波の影響で、日本海側の地域では平年を上回る積雪となっている地域があり、融雪災害の発生するリスクが急激に高まりそうです。
春一番の意味と発表基準とは?
春一番とは、立春から春分までの間に、広い地域で初めて吹く暖かくやや強い南よりの風です。「春一番」は吹かない年があるため、平年日は算出されません。
関東・北陸から九州の各地方で発表されます。北日本(北海道・東北地方)と沖縄地方では観測されません。発表の目安は、①立春から春分までの間であることや、②南よりの風であることは共通していますが、風速や気温、気圧配置などの条件は地方によって多少異なります。
春一番の防災上の注意点とは?
春一番は春の訪れを知らせるともに、防災上も非常に重要な意味を持っています。ポイントは大きくは①強風と②乾燥、③なだれで、今回は北海道や東北、北陸から山陰の日本海側で平年を上回る積雪となっている地域があるため、特になだれに注意が必要です。
ポイント① 強風
春の暖かい空気と冬の冷たい空気がぶつかって低気圧が急激に発達することで、日本列島の広い範囲で南よりの風が強まり、瞬間的には25メートルを超えるような暴風が吹き荒れることもあります。風に向かって歩くのが困難になったり、立っていられなくなり、転ぶ人が出るほどの強い風です。
ポイント② 乾燥
日本海側では、南よりの風が山を越え、雨や雪を降らした後に空気が吹き降りる「フェーン現象」によって空気の乾燥が進むことがあります。火災のリスクが高まり、大火災の発生するおそれもあります。
ポイント③ なだれ
低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込むことで気温が上がり、多雪地では表層の雪がとけてなだれの発生することがあります。また、暖かくなったその日になだれが起きなくても、暖かい空気で一度とけた積雪面が朝晩の冷え込みで再度凍結してその上に新雪が積もることで、なだれの起こりやすい状態になります。
表層なだれは時速100~200kmもの速さで雪が滑り落ちてきます。雪の積もった斜面にシワや割れている部分があったり、雪の塊が滑り落ちてきたりするなど、なだれの兆候がある場合は注意が必要です。