「小寒」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「小寒」の意味

小寒(しょうかん)は、寒さが次第に厳しくなる頃を意味します。小寒から立春前日までの約1か月は寒の季節=「寒中(寒の内)」と言われ、小寒はその始まりの「寒の入り」の日です。

小寒の七十二候

・ 初候:芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月5日~1月9日頃

芹(せり)が生える頃という意味です。せりは日本原産の野菜で、春の七草のひとつです。1月7日の人日(じんじつ)の節句に食べる風習のある“七草粥”に入っているため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。芹の名前の由来は、一か所に競り合って生育するからと言われています。

・ 次候:水泉動(しみずあたたかをふくむ) 1月10日〜1月14日頃

“水泉”とは、湧き出る泉のことで、凍っていた泉の水がとけて動き始める頃という意味です。この先の1月下旬~2月上旬頃は一年で最も寒い時期ですが、地中では凍っていた泉の水がとけて、かすかなあたたかさを感じられるという、人々が春を待ち望む気持ちが感じられる七十二候です。

・ 末候:雉始雊(きじはじめてなく) 1月15日~1月19日頃

雉(きじ)が鳴き始める頃です。雉は「ケーン」と甲高い声で鳴いて、雄が雌にアピールをしたり、縄張りを主張したりします。春から夏にかけての繁殖期に鳴くことが多く、雉は春の季語です。本州や四国、九州に分布していて、日本の国鳥です。雄は雌より一回り大きく、雄はカラフルな見た目をしているのに対し、雌は茶色っぽい色をしています。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、1月上旬~1月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 小寒(しょうかん)の候
寒に入り、寒さが厳しくなってきましたね~という意味です。
二十四節気の小寒から次の節気の大寒(だいかん)の前日まで使うことができます。

② 寒中(かんちゅう)の候
1年で最も寒い時期となりましたね~という意味です。
小寒から2月上旬の立春前日の、寒中(寒の内)の期間に使われる挨拶です。

③ 晩冬(ばんとう)の候
冬の終わりが近づいてきましたね~という意味です。
晩冬とは小寒と大寒の時期で、その間の約1か月に渡って使うことができます。

④ 厳寒(げんかん)の候
寒さの厳しい時期になりましたね~という意味です。
1月全般に使える便利な挨拶です。

⑤ 七草(ななくさ)の候
七草粥を食べる時期になりましたね~という意味です。
1月7日の人日の節句(七草の節句)に相手に届くように使います。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。