気象予報士が贈る冬の風物詩:凧あげとかまくら作りの心温まる時間

お正月二日目となりました。ゆっくりとした時間を過ごされてますでしょうか?
お正月といえばおせち料理だけではなく、凧あげや羽つき、福笑いやかるたなどお正月遊びも定番です。また、2月頃にかけて、北日本や北陸などの地域を中心にかまくらを 作りやすくなる時期になります。このコラムではお正月遊びの定番の凧あげや雪の芸術かまくらについてご紹介していきます。

凧の歴史について

凧の発祥地は諸説ありますが、中国や東南アジアと言われています。中国では、紀元前4世紀に木製の凧が存在していたという言い伝えや、ヨーロッパでは凧のことを「ドラゴン」と呼ぶ地域も多いそうです。日本には中国経由で平安時代頃から伝わりはじめました。その後、凧 も様々な形で広がり、江戸時代には、とび職人が人気であったことをもとに「とんび凧」が流行していたそうです。
ヨーロッパでは、凧を科学的な応用にも利用していました。1700年代には 、凧に温度計を取り付け、上空の気温を観測し、1800年代には凧が揚がる原理についても発表されています。お正月に定番の凧は、現在のグライダーや航空機など人類が空を飛ぶ歴史のはじまりに深く関わっています。

凧の作り方・飛ばしやすい風の強さは?

お正月の凧あげを楽しむ1つのエッセンスとして、凧を自作してみるのはいかがでしょうか。凧の作り方はインターネットで検索すると簡単なものから凝ったものまで様々なもので溢れています。このコラムでは、家にある身近なもので手軽に作れる方法をご紹介します。自分の作った凧が無事に飛ぶのか実験してみてください。
用意するものは、A4コピー用紙1枚、ストローもしくは割り箸、テープです。
A4用紙は写真の点線に沿って切ります。黄色線の部分にストローや割り箸をテープでとめて骨組みにします。黒丸部分にタコ糸をつけ、ひとつに結んでしまえば完成です。簡単につくることで、本当に飛ぶかどうか実験できるおもしろさも生まれてきます。さっそく工作にチャレンジしてみましょう!
実際に工作したら、次はいよいよ外で凧あげしてみましょう。凧が上がりやすい風速の目安は3m/sから5m/sくらいです。目安としては、木の葉や細かい小枝がたえず動き、軽い旗が開くような風を感じたら、凧あげに絶好の機会となるでしょう。

雪の芸術かまくら!作り方を紹介

これから2月頃にかけて、北日本や北陸だけでなく、雪の降る山地へ旅行する機会がある場合は、かまくら作りに挑戦してみませんか?かまくらは冷たい空気を遮ることができるため、外に比べて暖かさを感じることができます。
かまくらは、雪をそのまま積み上げるドーム型と雪のブロックを積み上げるブロック型 の2種類に大きく分けられます。ドーム型のかまくらの作り方のポイントは、雪を積む、くりぬくの2つです。人が入るような大きいドーム型のかまくらは、まず3.5mの円を描き、高さ3mの雪を積みます。その後、中をくり抜きながらかまくらを作るといった手順になります。ただ、人が入るような大きなかまくらを作るのはとても大変です。一回り小さいかまくらがおすすめです。雪だるまなどを飾ってみると写真映えして、雪が身近にない人でもかまくらを楽しむことができますよ。

コラムを読み終えたら、早速凧作りにチャレンジしてみましょう!そして2月にかけて、雪が積もる地域に行く機会のある方は、是非かまくら作りも楽しんでみてくださいね!

<参考>
「凧」 日本凧の会 文溪堂

横手市:(冬)横手のかまくら
https://www.city.yokote.lg.jp/kanko/1004035/1004590.html

気象庁:気象観測の手引き
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf