きょうは七草
1月7日は七草です。春の七草、すべて言えますか?答えは、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」ですね。この日は7種類の野草や野菜を入れた七草粥をいただき、1年の間、病気がなく健康でいられることを願う習わしがあり、現在でも日本全国で広く行われています。実際に、七草粥は、年末年始のごちそうでもたれた胃腸をいたわり、ビタミンなど不足した栄養素を補う効果があります。
人日の節句とは
今日は七草であると同時に、五節句のうちの新年最初の節句、「人日(じんじつ)の節句」です。このほかに、3月3日の「上巳の節句(桃の節句)」、5月5日の「端午の節句(菖蒲の節句)」、7月7日の「七夕の節句(笹の節句)」をあわせて五節句といい、季節の節目の日です。それぞれ節句の性質は異なるものの、その季節にあったお供え物をするという点では、どの節句も共通しています。
五節句については、こちらのコラムでも取り上げています。
七草 名前と実物の見分け方
春の七草セットはスーパーでも売られていますが、実物を見て名前を当てるのは難しいですね。春の七草の特徴をそれぞれご紹介します!
せり(芹)
セリ科セリ属の多年草。ミツバに似ていますが、ミツバは葉が3枚なのに対し、セリは5枚で葉の枚数で区別できます。秋田のきりたんぽ鍋にはかかせない食材です。
なずな(薺)
アブラナ科。別名ぺんぺん草ともいわれていて、土手や道端などに自生している馴染みのある植物です。ぺんぺんは三味線を弾く擬音語で、花の下に付いている果実の形が、三味線のバチによく似ていることから名づけられます。
ごぎょう(御形、ははこぐさ)
キク科。葉はへら形で細く、春から初夏にかけて小さな黄色い花を密集して咲かせます。茎や葉の若いものをいただきます。昔は、草餅にはヨモギではなくこの植物を入れて作っていたそうです。
はこべら(繁縷)
ナデシコ科。ミドリハコベとコハコベとありますが、一般的には両方あわせてハコベと呼んでいます。
ほとけのざ(仏の座、おにたびらこ)
キク科。湿地を好み、田んぼやあぜ道に多く生えています。若い葉を食用とします。早春には黄色のお花が咲きます。同じ名前のホトケノザという、ピンクの花を咲かせるシソ科の植物もありますが、七草はこちらではありません。
すずな(菘)
アブラナ科。かぶのことですが、すずなというのはかぶの葉をさすそうです。葉の部分は実の部分に比べて栄養豊富で、ビタミンCやビタミンE、食物繊維が多く含まれていて、美容にも風邪予防にも効果があります。
すずしろ(蘿蔔、清白)
アブラナ科。大根のことです。すずしろは「清白」とも書き、白は根の部分を指し「冬の寒い時期に清々しく育っている」という意味があります。
七草粥は夜に食べてもいいの?
昔から伝わる作法では、七草粥は7日の朝にいただいていました。前日6日の夜に、つくる準備を行い、清潔なまな板の上で、包丁やすりこぎで28回たたき、翌日7日の朝にさらに21回たたいて、おかゆに入れたそうです。包丁でたたくときには「七草なずな、唐土の鳥の日本の土地にわたらぬ先に、ストトントン」などと言葉を唱えながら、お粥に入れました。地域によって唱え言葉は多少異なるようですが、意味は共通して、悪さをする大陸からの渡り鳥を追い払い、その年の豊作を願うという意味があります。
ただ、現代人の私たちの朝は慌ただしいため、七草を用意し、ゆっくり味わうのは難しいですね。特に夜に食べると縁起が悪いということはないようですので、夜にいただいてもかまわないでしょう。副菜をプラスして、栄養バランスを整えるのもおすすめです。
材料(4人分)
ごはん お茶碗2杯分
お水6カップ
七草セット 2パック塩 小さじ1/4
1 お鍋にごはんとお水を入れて、火にかけて、弱火にして10分ほど煮る
2 七草は塩ゆでにし、冷水によとり、よく水気を絞ってから、細かく刻む
3 1に2と塩を加え、ひと煮たちさせる
参考・引用
「坂本廣子のつくろう!食べよう!行事食①正月から桃の節句」 坂本廣子 少年写真新聞社