太平洋側の雪の原因・南岸低気圧の特徴とは

<ポイント早わかり>
  • ① 東京都心など太平洋側では主に南岸低気圧によって雪が降る
  • ② 気温が高めでも湿度が低ければ雪となる可能性がある
  • ③ 普段雪に慣れていない地域では備えを万全にし、不要不急の外出は控える

南岸低気圧とは

南岸低気圧とは、本州の南岸を発達しながら東よりに進む低気圧で、西・東日本の太平洋側に雪をもたらします。特に、東京都心の雪は南岸低気圧によって降ると言われています。
南岸低気圧は、西高東低の冬型の気圧配置がゆるんだ時に通過しやすく、エルニーニョ現象が発生していると頻度が高くなることが分かっています。

雨か雪かを判断する上で重要なのは “気温”と“湿度”

南岸低気圧が通過すると、太平洋側の地域は低気圧の北側に位置するため、冷たい空気が入って気温が下がることで雨から雪に変わります。上空約1,500mに0℃以下の寒気が入れば山地で、-6℃以下の寒気が入ってくると平地でも雪になる可能性が高いとされています。
また、地上の気温が低いほど雪になりますが、4℃くらいでも湿度が低いときは雪が降ることがあります。湿度が低く空気が乾燥している場合は、雪の粒子が上空から落下する際に一部が蒸発して空気を冷やし、雪のまま地上に降りやすくなるためです。

南岸低気圧の通過するコースで関東の雪は判断できる?

南岸低気圧は八丈島の北を通るか南を通るかによって、雨と雪の分かれ目になるという研究があります。
雪をもたらすコースは八丈島の南を通る場合で、低気圧による北風が関東内陸部に溜まった寒気を引きずり下ろすため、気温が低下しやすくなり、雪が降りやすくなります。一方、八丈島の北側を通る場合は、低気圧による南風が吹き込む影響で気温があまり下がらず、雨が降りやすくなります。また、低気圧が八丈島の南側を離れて進む場合は、雪も雨も降らないこともあるとされます。
ただ、あくまで目安であって、過去にはこれに当てはまらないケースも多く、南岸低気圧のコースだけでは、雪か雨かを判断することはできません。

普段雪に慣れていない地域の雪対策

普段から雪に慣れていない地域では、少しの雪でも交通機関に影響が出たり、転倒事故などが発生したりする可能性があります。また、湿った雪が電線に積もり、停電が発生することもあります。
雪が予想される場合は、以下のポイントを確認してください。

<事前の備え>
・雪かき用スコップの用意する
・食料や水の備蓄の確認する
・バケツやお鍋に水をくみ置きする
・水道管に保温材を巻く
・毛布や防寒グッズを用意する
・スタッドレスタイヤやチェーンを装備する

<外出が必要な場合>
・最新の交通情報を確認する(計画運休の可能性も確認する)
・外出先の最新情報を確認する(施設の営業時間やイベントの実施情報など)
・滑りにくいフラットな靴を履く
・手には荷物を持たず、リュックサックを利用する
・「ペンギン歩き」を意識する
<参考・引用>
・気象庁 「太平洋側の大雪について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yohokaisetu/ooyuki.html

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