家庭でできる大雪対策!備蓄品や水道管の凍結対策を確認しよう!

突然の大雪で慌てないために、今からできる大雪対策として、備蓄品や水道管の凍結対策をご紹介します。

大雪のメカニズム(日本海側と太平洋側)

大雪になる原因は、日本海側と太平洋側で異なります。まずは、日本海側の大雪から解説していきます。

●日本海側の大雪

西高東低の気圧配置

日本海側の地域が大雪に見舞われる時は、西に高気圧、東に低気圧の「西高東低の気圧配置」になっています。天気図を見てみると、等圧線が縦じまになり、北寄りの風にのって中国大陸方面からどんどんと寒気が流れ込みます。この冷たい空気が日本海を吹き抜けていき、やがて日本海側の地域へ到達するのですが、冬の日本海は暖かく、流れ込む空気へ海面から水分が補給され、やがて雲ができあがります。この雲は日本海を移動していく間にどんどん発達し、雪雲へと成長。日本海側の地域へ雪をもたらします。
標高の高い山がある山沿いの地域や雪雲がぶつかりやすい地域は、山の斜面に雪雲がぶつかり、雪の量が増える傾向があります。また、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が発生している場合は、危険な雪の降り方になりやすく、平地でも大雪に見舞われることがあり注意が必要です。

日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)については、こちらのコラムで詳しく解説していますので、参考になさって下さい。

●太平洋側の大雪

太平洋側雪

太平洋側の地域が大雪に見舞われる時は、本州の南岸に沿うように発達した低気圧が通過する「南岸低気圧」が原因です。この南岸低気圧は、予報士泣かせの低気圧で、進路の南北のずれによって雨が降るか雪が降るかが変わってくるため、予想が難しい現象と言われています。
低気圧の中心が陸地の近くを通過していく場合は雨になりますが、低気圧の中心が八丈島付近を通過する場合は、雪になる場合が多く、低気圧が発達していたり、空気が乾燥している場合は、より雪の降る量が増えると言われています。

詳しくは、こちらのコラムでもご紹介しています。

事前にやっておくとよい大雪対策

雪が降るという予報が発表された場合、特に普段雪に慣れていない地域では、早め早めの大雪対策が必要です。どのような対策が必要か見ていきましょう。

●備蓄品を確認しよう

備蓄品

不要不急の外出をしないために、1週間程度の食料・飲料、電気を使わずに暖を取れるものを用意しておきましょう。

<必要な備蓄品>
・食料
・飲み物
・カセットコンロ
・使い捨てカイロ
・湯たんぽ
・灯油
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・電池

●水道管の凍結防止対策

大雪に見舞われるほどの寒さが予想されている場合は、水道管が凍結する可能性があります。万が一の断水に備えて対策を確認しておきましょう。

・水道管が凍結しやすい日は?
気温が0℃を下回る日、特に最低気温が-4℃以下になる日は、水道管が凍結しやすいと言われています。最低気温が-4℃まで下がらなくても、屋外へ水道管がむき出しになっていたり、日陰や風当たりが強い場所に水道管があったりする場合は、凍結してしまう可能性があります。
事前にご自宅の水道管の状況を確認し、強い冷え込みが予想されている場合は、次に紹介する水道管の凍結対策を行いましょう。

・水道管の凍結対策

水道管凍結

①露出している水道管を保温材やタオルで巻く
外気に触れている水道管に、タオルや発泡スチロールなどを巻きつけ、保温をしましょう。蛇口までしっかりと巻きつけるといいですよ。

②少量の水を出しっぱなしにする
水道管の中の水が凍らないよう、少量の水を出しっぱなしにしてもOKです。水を出したままにする場合は、水受けを用意し、お風呂や洗濯の際に使用するなど、水を有効に活用して下さいね!

③水道メーターも保温
タオルや発泡スチロールを袋に入れたものを複数用意します。それを水道メーターボックスへ詰め、保温しましょう。

④水抜き栓で水を抜く
水抜き栓がついているご家庭は、管の中の水を抜いておきましょう。

⑤念のため水の汲み置きを
万が一の断水に備えて、飲料水を確保し、浴槽に水を溜めておくといいでしょう。

・もし水道管が凍結してしまった場合
水道管が凍結し断水してしまった場合は、蛇口を締めたまま自然に溶けるのを待つか、タオルを巻いて人肌程度の温度のぬるま湯をゆっくりかけて溶かしましょう。この時に、熱湯をかけてしまうと水道管や蛇口が破損する恐れがありますのでご注意下さい。
溶けずに断水が続いている場合は、水道工事事業者へ連絡しましょう。

●冬用タイヤに履き替える

降雪時、積雪時に車で移動する必要がある際は、事前に冬用のタイヤに履き替えたり、チェーンを装着したりしましょう。通常のタイヤやチェーン未装着での運転は、スリップ事故や立ち往生による渋滞の原因となります。
タイヤ交換の時期の目安としては、初雪の便りが届いたり、近くの山に雪が積もったりなど、お住いの地域で雪の気配を感じたらやっておくといいでしょう。

また、車内にも次の備品を詰んでおくと雪道走行も安心ですよ。

<雪道を走る際に車に乗せておく備品>
・タイヤチェーン
・スコップ
・手袋
・ブースターケーブル
・懐中電灯
・停止指示板
・けん引ロープ

大雪の可能性を伝える情報の見方

大雪になるかもしれない!という予報は、早ければ2週間程度前から、段階的に発表されています。最後に、どのような情報が、いつ発表され、どんな影響があるか確認していきましょう。

大雪タイムライン

●14日前~6日前
日本海側の地域で10年に1度あるかどうかというレベルの大雪が予想される場合には、「大雪に関する早期天候情報」という情報が発表され、かなりまとまった雪になるよ!という注意喚起が出されます。

●数日前~1日前
「大雪に関する気象防災情報」が発表され、いつ頃から、どの地域に、どのぐらいの量降るのかより具体的に大雪への警戒が呼びかけられます。情報に合わせて、警報の発表される可能性があるかどうかも「早期注意情報」という情報で確認することができます。
●大雪の当日
雪の降り方に合わせて、お住いの市区町村に「大雪注意報」や「大雪警報」が発表されます。警報は、重大な災害が発生するような現象がおおむね3時間~6時間先に予想されるときに発表されるものです。ご自身の市区町村だけではなく、近隣の地区町村の大雪警報の発表状況や、なだれ注意報・雷注意報・着雪注意報・風雪注意報も発表されていないかも、あわせて確認できると良いでしょう。

さらに雪の降り方が強まり、数十年に1度あるかないかというような記録的な大雪になるおそれがある場合は、「顕著な大雪に関する気象情報」という情報が発表され、一層の警戒が呼びかけられます。この情報は、線状降水帯の雪バージョンだと思って頂き、発表された場合は、短時間で一層雪が降り積もるおそれがあります。大規模な災害や、交通渋滞が発生する可能性が高いですから、不要不急の外出は控えましょう。

広範囲で記録的な大雪のおそれが予想される場合は、「大雪特別警報」が発表されます。経験したことのない大雪災害に見舞われる危険が迫っています。お住まいの地域の避難情報を確認し、避難判断をなさって下さい。

<参考文献>
東京都防災ホームページ 大雪への事前の備え
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000026/1006151.html

東京都水道局 くらしと水道
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/trouble/touketsu.html

気象庁 大雪に関する気象情報
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/ooyuki_joho.pdf