【気象予報士が解説】今後発生が予想される台風は接近前から大雨となる可能性 「秋雨前線+台風」の注意点とは

新たに“台風10号”発生か?来週にも東・西日本へ接近の可能性

マリアナ諸島付近にある熱帯低気圧は、21日(水)午前9時時点で今後24時間以内に台風に発達する予想となっていて、発生すれば台風10号となる可能性があります。台風経路図では、予報円(白い破線の円)の外側に暴風警戒域(赤線内の領域)があり、台風の中心が予報円内に進んだときに、暴風域に入るおそれのある領域を表しています。
発生すれば今月に入って6個目の台風となり、東北に上陸した台風5号や、東北や関東に接近した台風7号と同様に、雨や風が強まって交通機関に影響の出るおそれがあります。今後発表される最新の情報を確認し、早めの対策を心掛けてください。

「秋雨前線+台風」は大雨のパターン!過去には大きな災害となったケースも

秋雨前線+台風

今後1週間、本州付近には秋雨前線が停滞しやすく、台風接近前から暖かく湿った空気が流れ込んで前線が活発化し、大雨となる可能性があります。
過去にはこのパターンで大雨となったことが多々あり、2000年9月11日から12日には東海地方で大雨が降り、死者が10人、建物の被害も7万棟近くにのぼる災害が発生し、「東海豪雨」と命名されました。この時は日本付近に秋雨前線が停滞し、日本の南海上では台風14号が北上しました。名古屋のアメダスでは1日の降水量が428mmと観測史上最大(2024年8月21日現在)で、また2日間で降った雨の量は550mmを超え平年の年間降水量の3分の1を超える大雨となりました。

台風や秋雨シーズンへ向けた注意ポイントとは?

・大雨の注意ポイント

雨の強さと降り方

前線が停滞している場合は、台風接近時に加えて、接近前から雨が強まって大雨となるおそれがあります。滝のような雨が降ったり、息苦しさを感じたりすることもあります。
1時間に降る雨の量が30mmを超えると道路が川のようになり、50mmを超えると傘は全く役に立たなくなります。長時間の雨も災害のリスクはありますが、短時間で大雨となるとアンダーパスなどの低い土地が浸水したり、川が一気に増水したりする可能性が急速に高まります。また、市街地で短時間にまとまった雨が降ると、下水道などの排水施設の処理が追い付かなくなったり、川の水位が上昇することで下水道から川へ放流できずに溢れ出したりしてしまうことがあります。

・暴風の注意ポイント

風の強さ

台風本体が近づけば風も強まり、木が折れたり電柱が倒れたり、建物が倒壊したりすることもあります。
瞬間風速が30m/sでは、風に向かって歩けなくなり、転倒する人もいます。そして瞬間風速が40m/sを超えると、何かにつかまっていないと立っていられない状態となり、電柱や街灯が倒れることがあります。60m/s以上になると、ブロック塀や住家が倒壊するおそれがあり、屋外での行動はきわめて危険です。不要不急の外出は控えましょう。

 

<関連コラム>
・週間天気 この先は秋雨前線が停滞!新たな台風が発生・接近し「台風+前線」で大雨となる可能性あり(2024年8月21日発表)
https://sorakura.jp/20240821101/

・【防災週間vol.3】秋の台風シーズンに向け、台風情報の要点チェック!
https://sorakura.jp/20220903201-2/

・【防災週間vol.4】台風と秋雨前線の組み合わせには要注意!
https://sorakura.jp/20220904201-2/