一息つきたいときの飲み物は何を思い浮かべますか?普段コーヒーをあまり口にしない方は、このあと紹介する甘いコーヒーを気分転換に飲んでみてはいかがでしょうか。また、コーヒー豆をガリガリ挽くことが好きな方へ、この時期におすすめしたいのはベトナム産のコーヒー豆です!
なぜこの時期にベトナム産のコーヒー豆がおすすめなのか、ベトナムの地理や気候的な特徴を踏まえながら解説していきます。そして、甘いベトナムコーヒーについて紹介していきます。
4月の旬はベトナム産!コーヒー豆の輸入量から解説
はじめに、日本で輸入しているコーヒー豆の割合をみていきましょう。2023年4月におけるコーヒー豆(炒ってないもの)の輸入の割合を見ると、一位はベトナムで全体の4割弱を占めています。次いで、ブラジル産で3割弱、コロンビア産は1割ほどとなっています。4月はブラジル産を抜いて、ベトナム産の輸入量が多くなる年が多いです(他の月はブラジル産の輸入量が多く、年間総輸入量もブラジル産が多い)。
なぜ4月はベトナム?気候的な特徴を簡単解説
ベトナムの地形がどのようになっているか解説
4月に日本への輸出が多くなるベトナム産のコーヒー豆。ベトナムという国はどのような特徴があるのか追いかけてみましょう。
東南アジアに含まれるベトナムは、インドシナ半島に位置し、南北に長い国です。面積は33万k㎡で日本の約0.87倍となっています(九州を除いた日本と同じぐらい)。観光地は、北からハノイ(首都)、ダナン(リゾート都市)、ホーチミン(南部の中心地)の3つが代表的です。
また、標高に着目してみると、ベトナムは国を縦断するように東西で違いが見られます。ハノイやダナン、ホーチミンといった都市は東側の標高の低い場所に位置します。一方、コーヒー豆の主な収穫地は標高の高い西側に位置する中部高原と呼ばれる地域です。エリア内のダラットとよばれる都市はベトナム人気の避暑地とされています(「花の都」とも呼ばれる)。
ベトナムの気候的な特徴とは?~ダナンを例に~
ベトナム産のコーヒー豆は中部高原で栽培されていますが、いつ頃が収穫時期 となるのでしょうか。中部高原に近いダランでは、気象観測が行われていて、1991年から2020年までの30年間の降水量 の平年値をみてみると、8月から10月にかけてが、降水量が多くなっていて、雨季のピークを迎えます。毎年のように洪水災害になるほどの大雨になることがあります。雨季のピークが過ぎ、しだいに乾季へと移る11月から3月がコーヒー豆の収穫時期となります。特に、春頃のベトナムの雨量は少なさも目立ち、コーヒー豆の収穫が盛んになり、4月には日本へ多くのコーヒー豆が輸出されます。
3. ベトナムコーヒーの美味しいの飲み方
ベトナムの国や気候について紹介していきましたが、最後に、ベトナムコーヒーの美味しい飲み方について紹介していきましょう!
ベトナムコーヒーとは、ざっくりコンデンスミルク(練乳)を加えたコーヒーのことです。ベトナムで栽培されるコーヒー豆の多くはロブスタ種と呼ばれる品種で、苦みの強さに特徴があります。コーヒーに加えるものといえば、牛乳や砂糖を思い浮かべますよね。実は、冷蔵庫がまだベトナムで普及していなかった時代、ベトナムではそもそも牛乳が手に入りにくく、保管もしにくい状況であったと言われています。一方、コンデンスミルク(練乳)は常温で保管しやすかったということもあり、ベトナムコーヒーの文化が根づいたとされています。
少し苦さを強めたコーヒーにコンデンスミルクを足してみて、まろやかで甘いコーヒーを是非楽しんでみてください!
<参考>
政府統計の総合窓口
https://www.e-stat.go.jp/
農林水産省:海外農業情報
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/
外務省:ベトナム基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/vietnam/data.html
気象庁:世界の天候
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/index.html