身体の「冷え」の原因って?対策や改善を促す食べ物や飲み物とは?

暖冬といわれる今シーズンの冬ですが、気温が下がり、身体の冷えを感じる頃となりました。
日本人女性の半数以上が「冷え」を感じていると研究で分かってきています。
そこで今日は「冷え症」の症状や原因、改善方法についてお伝えしていきます!

そもそも身体の冷えとは?「冷え症」「冷え性」どちらを使う?

筆者も冬になると手先が冷たくなり「冷え」を感じやすくなりますが、そもそも「冷え」とは何でしょうか?
「冷え症」とは①身体の深部体温と末端の体温の温度差があり、②暖かい環境でも末端の体温の回復が遅い状態で、③その中の多くの方が冷えを自覚している状態 を指すと言われています。
「冷え」の考え方は、東洋医学と西洋医学で実は異なるんです。
東洋医学では、「冷え」がさまざまな病気の引き金となると考え、治療対象としています。検査異常の有無は問いません。
一方、西洋医学では検査異常のない「冷え」は病気として捉えておらず、冷えの原因となる病気があれば、そちらを治療する方針となっています。
「冷え」を病気として捉えれば「冷え症」、体質として捉えれば「冷え性」となります。

「冷え」の原因とは?どんな症状が出る?

身体の冷えをもたらす原因はなんでしょうか?大きく2つ挙げられます。
まずは、「気温の低下」です。

これから冬を迎える日本では日に日に気温が下がっていきます。東京の旬ごとの気温推移と同じように全国的に1月下旬ごろにかけて最低気温・最高気温ともに低くなっていくため、身体の冷えと密接な関係があるとされています。
次に「生活環境の乱れ」が挙げられます。
睡眠時間の不足や不規則な食事の時間・食事の偏り、運動不足などが原因と最新の研究で分かってきています。食事の偏りとは、身体を冷やす食品を食べる以外にも、甘い物や脂っぽい物を多くとることで、冷えやすい身体になるとされています。そのほか、過労やストレスなど精神的な要因もあると報告されています。
身体の「冷え」によって、肩こりや便秘、ほてり、むくみなどの症状が出ることが多く、免疫力の低下や感染症にかかりやすいとも言われています。

「冷え」は大きく4種類に分けられる

一概に「冷え」と言っても症状の現れる箇所は様々です。男性よりも女性に、肥満型よりもやせ型の体型の方に現れやすくなっています。大きく4つの「冷えのタイプ」に分けることができますので、ご自身のタイプも確認してみましょう。

①手足が冷える(四肢末端タイプ)
手足まで血液が循環せず、末端が冷えやすく、ダイエットで食事量の少ない若い女性に多く見られる症状です。
②下半身が冷える(下半身タイプ)
座っている時間が長い方に現れやすく、下半身ほど冷えを感じ、顔などは逆にほてるタイプです。30代以降の方に見られることが多くなっています。
③内臓が冷える(内蔵タイプ)
「隠れ冷え症」とも言われ、手足は冷えを感じにくいことが特徴です。おなかに手を当てると、ひんやりと感じ、胃腸の調子が悪いと感じることが多いタイプです。
④全身が冷える(全身タイプ)
冬だけではなく夏も含め、体温が常に低く、いつでも「冷え」を感じる方が当てはまります。一年中冷えているため逆に自覚症状が乏しい場合もあります。若者や高齢者に多く、風邪を引きやすいタイプとも言われています。

冷えに負けない体質改善!積極的に食べたい物・飲みたい物とは?

「冷え」改善のために、この冬は「温活(おんかつ)」をしていきましょう!
※つらい冷えでお悩みの方は、一度専門の医療機関で受診されることをおすすめします。

・温めると効果的な身体の部位は?
「首」を温めるのが効果的と言われています。 そのほか「腰」にも冷えを改善する効果がみられるようです。マフラーやハイネックのトップスを着ることで、冷たい空気から首を守ることができます。
・体質改善を意識してみて!
血流をよくすることもおすすめです。入浴はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かり、身体を芯から温めたり、運動習慣のない方はウォーキングから始めたりしてみましょう。
そらくらではウォーキングの始め方もコラムにまとめています。
・飲み物は常温以上で!
冷たい飲み物ばかりとっていると、身体が芯から冷えてしまいます。常温以上の温度の飲み物を意識的に飲むようにしましょう。
また、緑茶やコーヒーに多く含まれるカフェインには利尿作用があり、排尿と同時に熱も体内から逃がしてしまいます。白湯のほか、特に生姜湯に含まれる「ショウガオール」には血行促進効果が期待できます!
・旬の食べ物を積極的に!
夏に旬を迎えるトマトやキュウリには、身体を冷やす効果がありますので、この時期には控えるようにしましょう。ニンジンなどの根菜類や香辛料には身体を温める効果があります。旬の冬野菜をフライパンなどで焼いてカレーに乗せるのもおすすめです!

いかがでしたか?この冬は、体質改善を意識しながら「冷え」と戦ってみましょう!

<参考・引用>
・中村幸代(2010)「冷え症」の概念分析」、日本看護科学会誌30巻1号p62-71

・佐々尚美(2010)「若年女性における冷え感の改善に関する研究-冬季における温める部位の検討」、人間と生活環境17(2)p49-55

・気象庁 過去気象データ検索
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php

<監修>吉田邦枝先生【小児科医】
東京医科歯科大学医学部卒。同大学小児科学教室に入局、関連病院で研修後、子育て期間を経て、現在は東京都内、埼玉県内のクリニックに勤務。日々こどもの診療に奮闘中。自然科学全般に興味があり、気象予報士の資格も取得。