二十四節気「小満」とは?初夏でも季語が「麦秋」なのはなぜ?

今日5月21日(日)は、二十四節気の「小満(しょうまん)」です。馴染みのない方が多い節気の1つかもしれませんが、秋にまいた麦などの穂の実りの時期で、沖縄では梅雨の雨が多い頃です。

二十四節気「小満」の意味とは

小満は、草木が茂って天地に満ち始める頃という意味です。ちょうどこの時期は、秋にまいた麦などの穂がつく頃にあたります。 昔は、農作物の収穫が生きるために一番重要な問題でした。そのため、麦などに穂がつくと「今のところは順調だ、よかった」と満足したことから小満と言う名前が付いたと言われています。豊作への願いがこめられた言葉なのかもしれません。

沖縄では梅雨の時期

本州では6月から7月頃にかけて、ジメジメとした梅雨の時期となりますが、沖縄の梅雨は、本州より1か月ほど早く、平年(1991-2020年)だと5月10日頃に梅雨入りし、6月21日頃には梅雨明けをします。沖縄の方言で、梅雨のことを「小満芒種(スーマンボースー)」と言い、これは二十四節気の「小満」から「芒種」が、沖縄の梅雨でも最も雨の多い時期にあたることを表しています。
2023年の小満は今日5月21日(日)、芒種は6月6日(火)です。

この時期の季語「麦秋」とは

この時期を表す「麦秋(ばくしゅう)」という季語があります。「麦の秋」と言ったりもしますが、どちらも5月下旬から6月初旬を表しています。秋の季語と誤解してしまいがちですが、麦畑が黄金色に輝き、麦を収穫する今の時期を表した言葉です。
日本の小麦の収穫量の約7割を占めるのは北海道です。ただ、北海道の小麦は、春に種をまいて8~9月頃に収穫する「春まき小麦」と、秋に種をまき翌年の7~8月頃に収穫する「秋まき小麦」があり、どちらも時期は今ではありません。東・西日本の産地で有名な福岡県や佐賀県、愛知県などは、今時期に収穫を迎えます。今しか見られない景色を見に、麦畑に足を運んでみてはいかがでしょうか。

二十四節気とは

二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。日にちは年によって数日変わることがあり、毎年2月に国立天文台暦計算室が発表する「暦要項」で、翌年の日にちが公表されます。
「小満」の次は6月6日頃の「芒種」です。6月に入り、本州も梅雨シーズンに突入します。