二十四節気「穀雨」とは?春を締めくくる最後の節気

今日4月20日(水)は、二十四節気の「穀雨(こくう)」です。ひとつ前の清明に続き、あまりなじみのない節気の一つかもしれません。暦の上では、春を締めくくる最後の節気となり、牡丹の花が美しく咲く頃です。

二十四節気・穀雨とは

「穀雨」は、雨が降って百穀を潤すという意味からきている言葉です。この時期に降る柔らかい雨は、「百穀を潤し、芽を出させる春雨」として、 古くから「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」と呼ばれてきました。雨がシトシトと降ると気分が重くなりがちですが、穀物が成長するためには必要な雨なんです。

穀雨から雨量が増える?

天気のことわざに「二月の雪、三月の風 、四月の雨が、美しい五月をつくる」というものがあります。この時期に降る雨が、この先の季節を美しく豊かなものにするのです。平年の1か月降水量については、3月上旬の二十四節気「啓蟄」のコラムでもお話しましたが、春になると太平洋側でも次第に雨の降る量が増えていきます。そして5月のゴールデンウイークが明けると、沖縄や奄美では早くも梅雨入りの発表がある頃です。

牡丹の花が美しい時期

「花の王様」と呼ばれる牡丹の花。一般に流通している春牡丹はこの時期に開花します。
牡丹の花言葉には、「富貴」や「恥じらい」、「風格」などがあります。幾重にも花びらが重なる牡丹の優雅さや艶やかさにぴったりですね。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という、美しい女性のことを例える言葉がありますが、牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつけるため、美しい女性が座っているかのように見えるさまを表しているそうです。ちなみに、牡丹と芍薬(シャクヤク)は見た目が似ていますが、見分けるポイントがあります。開花時期は、牡丹が晩春(主に4月後半~5月前半頃)なのに対し、芍薬は初夏(5月中旬~6月頃)です。また、芍薬の葉は丸みがあってツヤがあるのに対し、牡丹の葉はギザギザしていてツヤもありません。さらに、牡丹は花びらが1枚ずつ散るのに対して、芍薬は花の頭ごと落ちます。芍薬はバラのような香りがしますので、香りで見分けることも可能です。

牡丹は、種と苗から育てることができますが、種からだと咲くまでに5~10年ほどかかってしまいます。そのため、初心者の方は苗から育てるのがおすすめです。

二十四節気とは

二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。日にちは年によって数日変わることがあり、毎年2月に国立天文台暦計算室が発表する「暦要項」で、翌年の日にちが公表されます。
「穀雨」の次は5月5日頃の「立夏」。暦の上では早くも夏が始まります。