スノームーンは、アメリカの先住民族ネイティブアメリカンが使用していたといわれる2月の満月の名前です。漢字をあてると「雪月」となるように、北アメリカの2月は雪が多く、また、収穫される穀物や作物が少ないため、「ハンガームーン(飢餓月)」と呼ばれることもあります。
このコラムでは、スノームーンを観察できる時間や方角、マイクロムーンについて、また、「雪月」の名前に合わせ、雪の明るさについてご紹介します。
スノームーンの観察できる時間や方角は?
2023年のスノームーンは明日2月6日(月)です。ただ、月の大きさが最大となる時刻は明け方3時29分頃となるため、満月を観測するのは、今夜がおすすめです。
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月の見える方角は、月の出てくる直後の18時頃は、日が沈んだ方角とは反対の東の空に見ることができます。午前0時ごろに天の頂上を通り、明け方に西の空に沈んでいきます。夜の間に晴れていれば、建物などのない開けた場所では一晩中、月を眺めることができます!
満月が見かけ上最も小さく見えるマイクロムーン!
さらに、今回のスノームーンは、2023年の全13回の満月としては、地球から最も遠い満月で、満月が小さく見える「マイクロムーン」となります。
月は、地球のまわりを回転していますが、その軌道は楕円となっていて、最も近づく場所を近地点(約356, 000km)、逆に、最も離れた場所を遠地点(およそ407,000km)と呼んでいます。今年の月が最も大きく見えるスーパームーンは8月31日(木)となりますが、見かけ上の大きさは近地点・遠地点と比べると約14%、明るさはおよそ30%違います。今月のスノームーンは、今年2023年の遠地点、すなわちマイクロムーンとなっていて、満月がいつもより小さく見えるんです。
「蛍の光」の「窓の雪」とは?
最後に、「スノームーン」に合わせて雪のお話を。これからの卒業シーズンや閉店間際のお店で耳にする「蛍の光 」。実は、スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」の曲に合わせて、日本の歌詞があてられています。勉学にいそしむ姿が目に浮かぶ歌ですが、歌詞の冒頭、蛍の光はイメージがしやすいと思います。「窓の雪」を不思議に感じたことはありませんか?
中国の故事「蛍雪の功」の内容に基づいていて、晋の車胤(しゃいん)が蛍を集めてその光で、孫康(そんこう)が雪の明かりで、それぞれ書物を読んだことが由来です。電気が通っていなかった時代に、自然の光を利用して、苦労しながら勉学に励むことという意味があります。雪が積もっていると光のおよそ8割が反射し、明かりがなくても書物を読むことができたと考えられます。
いかがでしたか?今夜の月は、大きさや明るさに注目してみましょう!
<参考>
・国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年2月)」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/02.html
・国立天文台 暦Wiki「大きな満月、小さな満月」
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B7EEA4CECBFEA4C1B7E7A4B12FC2E7A4ADA4CACBFEB7EEA1A2BEAEA4B5A4CACBFEB7EE.html