年明けすぐのしぶんぎ座流星群の見頃はいつ?2023年注目の天体ショーと併せて紹介

しぶんぎ座流星群は例年では3が日の終わり頃に極大を迎え、三大流星群にあげられるほど活発です。昨年2022年は観測条件がよく、多くの流星が見られると期待されましたが、予想の半分も流れませんでした。なぜなら、しぶんぎ座流星群は、安定して活動するほかの三大流星群と比べても、年によって出現数が変わりやすいからです。2023年はどうなるでしょうか?月明かりの条件も踏まえて解説します。また、今年注目の天体ショーも併せて紹介します。

しぶんぎ座流星群の見頃はいつ?

今年のしぶんぎ座流星群は、残念ながら観測条件が良くありません。しぶんぎ座流星群は活動のピークが明瞭で、流星がよく流れるのは、最も活発になる極大付近の短い時間に限られます。今年の極大時刻は1月4日12時頃と真昼のため、最も活動が活発なタイミングで流星を見ることができません。そのような中、見かけ上で最も流星が流れそうな1月4日の明け方頃は、4時台まで満月間近の明るい月が夜空を照らしてしまいます。観測条件が整うのは、月が沈んでから薄明が始まるまでの数時間になりそうです。その頃に見える流星の数は、夜空の暗い場所で1時間25~30個と予想されています。条件が悪くても、火球のように明るい流星も期待されるそうなので、仕事始めの日は早起きして新年の願い事を祈ってみてはいかがでしょうか?各地の月が沈む時刻は次の通りになります。札幌4時44分、仙台4時30分、新潟4時36分、東京4時27分、名古屋4時37分、大阪4時41分、福岡4時59分、那覇4時52分。

しぶんぎ座流星群の極大前夜の星空(2023年1月4日05時の東京)
(出典:星空:Every Starry Night AI ( hoshifuru.jp )を加工)

今年注目の天体ショー

2022年は11月に皆既月食を全国規模で見ることができた年になり、夜空を見上げた方も多かったのではないでしょうか?2023年の日食や月食はどうなるかというと、4月20日の日食や5月6日の半影月食、10月29日の月食が日本で見られます。ただ、4月20日の日食は南西諸島や小笠原諸島を中心に少し欠ける程度で、10月29日の月食は全国的に観測されますが、よく見ないと分からないほどと2022年と比べると寂しい印象です。それでは、他にどんな天体ショーが2023年を賑わせるでしょうか?以下にいくつかピックアップしてみました。

2月上旬ZTF彗星が地球に最接近

2022年3月2日に発見されたばかりの彗星で、その後の観測から2月上旬頃に地球から約0.28天文単位まで接近する軌道であることが分かりました。1天文単位は太陽から地球までの平均距離のことで、ZTF彗星は、その3割ほどの距離まで地球に近づくことになります。地球に接近する2月上旬は、目視でぼんやり分かるほどの明るさになることが予想され、きりん座の近くで北極星の周りをグルグルと回るように見えそうです。ただ、2月6日に満月となり、地球に最接近する頃も明るい月が夜空を照らしています。そのため、月が沈んでからの時間が観測のチャンスです。東京で月が沈む時刻は、1月31日は2時21分、2月1日は3時21分、2月2日は4時18分となっています。

3月24日金星食

金星食は、金星が月の裏側に隠れる現象になります。見ることのできる地域は九州南部~南西諸島に限られていますが、日本で夜間に見られる金星食としては11年ぶりになるそうです。各地の潜入開始時刻は次の通りになります。鹿児島21時08分59秒、奄美21時00分03秒、那覇20時56分24秒、石垣20時53分29秒。なお、緯度の高い地域ほど、金星がゆっくりと月に潜っていくため、那覇で33秒なのに対し、鹿児島は1分22秒もかかります。

8月13日ペルセウス座流星群

三大流星群の一つであるペルセウス座流星群は、極大時刻こそ8月13日17時と明るい時間であるものの、13日の明け方は空の暗い場所で1時間に50個前後の流星が見られるかもしれません。ペルセウス座流星群は、しぶんぎ座流星群のように流星の活動に極端なピークがあるわけではないので、13日の前後の夜も期待できるからです。また8月16日に新月を迎えることから、強い月明かりに邪魔されることもないでしょう。

12月15日ふたご座流星群

2023年最後の三大流星群であるふたご座流星群は、極大時刻が12月15日04時と夜中にあたり、また12月13日が新月であることから月明かりの条件も問題なさそうです。空の暗い場所では1時間に80個ぐらいの流星が見られると予想され、『天文年鑑』では

「空前の“星降る夜”となるだろう.」

とまで書かれるほどです。

引用文献
・「天文年鑑2023年版」2022年11月 誠文堂新光社
参考文献
・しぶんぎ座流星群が極大(2023年1月) | 国立天文台(NAOJ)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/01-topics03.html
・星空・星図素材 ベクター ai | CC BY 3.0 | 星降る
https://hoshifuru.jp/EveryStarryNight/starchart/ai/