ふたご座流星群は2022年で最も多く流れるかも!?極大時刻や観測のコツを紹介

ふたご座流星群2022年の概要

三大流星群の1つであるふたご座流星群は、毎年多くの流星を観測できることで有名です。今年2022年にふたご座流星群の活動が最も活発になる極大は、12月14日の22時頃とされています。国立天文台が予想する1時間に現れる流星の数は、空の暗い場所で40~45個になるそうです。天文年鑑2022年版でも、

国内においては2022年で最も流星の多い,まさに星降る一夜となるだろう.

とまで、紹介されています。ただ、14日夜の月の出は、札幌が21時27分、東京で21時48分、福岡は22時30分と早いため、極大時刻頃にかけてが流星の観望に最適となりそうです。月の出の後も、月から離れた方角の空を中心に見ることで、1時間に30個前後は見ることができるでしょう。流星観測で気を付けたいポイントや観測のコツは、今年のオリオン座流星群のコラムで紹介していますので、改めてご確認ください。

ふたご座流星群2022年極大時刻頃の東京の星空(出典:星空:Every Starry Night AI ( hoshifuru.jp )を加工)

母天体フェートン

流星群の起源は、彗星から放出される塵などの流星物質です。塵を放出した天体は、母天体と呼ばれます。母天体と地球の軌道は最大で2点で交わることから、1つの母天体が2つの流星群の起源となる場合もあります。有名なハレー彗星は、みずがめ座η流星群とオリオン座流星群の母天体です。では、ふたご座流星群の母天体は、どの彗星でしょうか。実は、彗星ではなく、フェートンという小惑星が母天体であるとされています。フェートンは衛星観測によって1983年に発見されました。ふたご座流星群の塵の軌道との類似性から、かつては彗星として多くの塵を放出していたのではないかとされています。

太陽に接近して塵を放出するフェートンのイメージ(出典:NASA/JPL-Caltech/IPAC)

フェートンの探査計画

フェートンは2017年に地球から1000万kmの距離まで接近した際に、世界中で観測が行われました。その成果から、フェートンの表面に水分子が存在しないことが分かっています。しかし、それまでのフェートンは太陽に接近する近日点通過の数日後に、一時的に塵を放出する姿が確認されています。フェートンのような天体は「活動的小惑星」と呼ばれ、惑星の形成過程を研究する学者の注目の的となっています。活動的小惑星からどのように塵が放出されるかは、崩壊、天体衝突、太陽加熱などの説がありますが、地上からの観測では具体的に確認することができていません。そこでJAXAは2024年度を目標に、フェートンを調査する探査機DESTINY⁺(Demonstration and Experiment of Space Technology for INterplanetary voYage with Phaethon fLyby and dUst Science)の打ち上げを計画しています。DESTINY⁺は、軌道の関係からフェートンを周回することができないため、上空約500kmを通過するフライバイで観測を行うそうです。短期間で撮影や塵の収集を行い、詳細な地形や塵を構成する鉱物などを調べ、フェートンの活動的小惑星としての実態を解明することが期待されています。星降る夜となるふたご座流星群で、DESTINY⁺の成功を祈ってみませんか?

引用文献
・「天文年鑑2022年版」2021年11月 誠文堂新光社
・「活動的小惑星の理解に向けて」脇田 茂,瀧 哲朗,伊藤 孝士 日本惑星科学会誌 Vol.28, No.2,
参考文献
・ふたご座流星群 | 国立天文台(NAOJ)
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/geminid.html
・星空・星図素材 ベクター ai | CC BY 3.0 | 星降る
https://hoshifuru.jp/EveryStarryNight/starchart/ai/
・DESTINY+ JAXA
https://destiny.isas.jaxa.jp/