乾燥から肌を守る!冬の肌ケアのポイント解説

これからの時期は、気温低下や乾燥した空気によって代謝や血行が悪くなり、肌トラブルが起こりやすくなります。原因は、西高東低の冬型の気圧配置となると、北西の季節風が山脈を越える際に、日本海側で雪や雨を降らせ、太平洋側は冷たく乾燥した風が吹き降りるためです。また、寒い季節は暖房を使う機会も増え、室内でも空気の乾燥が進みます。今回は、そんな冬の乾燥から肌を守る対策をご紹介します。

湿度と気温の関係

一般に、室内で快適に過ごせる湿度は40~60%といわれます。ここでいう「湿度」は「相対湿度」のことで、飽和水蒸気量(空気中に含むことのできる最大の水蒸気量)に対する実際の水蒸気の割合を表します。飽和水蒸気量は気温が高くなるほど多く、気温が低くなるほど少なくなるため、冬は同じ湿度でも空気中の水分が少なくなります。

冬の肌ケア5つのポイント

それでは、肌トラブルの起こりやすくなるこれからの季節、どのような対策が必要なのでしょうか。①肌のお手入れ、②食事、③入浴、④運動、⑤睡眠という5つの視点からみていきましょう。

① 肌のお手入れはバランスよく!

みずみずしく柔軟な肌を保つには、肌の角層の水分・NMF(天然保湿因子)・脂質のバランスを保つことが重要です。そこで、スキンケア化粧品(水分・保湿剤・油分)を使って肌をケアしましょう。
保湿剤として幅広く使用されているヒアルロン酸は、1gに対して約6Lもの水分を保持できる保水力の非常に高い成分です。真皮の中でクッションの役割を果たし、皮膚にはりとうるおいを与えます。また、皮膚からの水分の蒸発を防止してうるおいを保つ成分には、ホホバオイルやオリーブオイルなどの天然オイル、セラミド、スクワランなどがあります。この中でもセラミドは、肌のバリア機能に重要な役割のある「細胞間脂質」の主成分で、うるおいを守ってくれます。

② 食生活の改善

肌荒れ対策としては、栄養をバランスよくとることも有効です。
ビタミンAは肌にうるおいや張りを与え、不足すると皮膚が乾燥しやすくなります。ビタミンAを多く含む食材としては、にんじん・かぼちゃ・トマトなどの野菜、レバー、鰻などがあります。また、たんぱく質は細胞のもとになる重要な栄養素ですので、肉や魚もしっかりとりましょう。

③ 入浴で代謝アップ

身体が温まると血行が促進されて、老廃物が排出されます。また、入浴にはリラックス効果もあります。ぬるめのお湯(38℃程度)にゆっくり入ると、副交感神経が刺激されて緊張がほぐれます。睡眠の質を上げるには、眠る時間の1~2時間前に入浴するとよいでしょう。入浴後は肌の天然保湿因子が失われてしまうため、お風呂上りは早めに保湿クリームを塗って、お肌の乾燥を防いでください。

④ 適度な運動

運動も肌の生まれ変わる仕組み、「ターンオーバー」 を促す効果が期待できます。体を動かすことで血流をよくし、基礎代謝を上げましょう。美容にはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的です。なかなか時間が取れない方は、朝晩5分程度のストレッチでもいいので習慣にするとよいでしょう。特に、リンパが集まっている所を伸ばすのがオススメです。

⑤ 質の高い睡眠

肌は寝ている間に修復され、睡眠不足になるとターンオーバーが遅れます。肌のターンオーバーを促す成長ホルモンは睡眠直後から3時間前後が最も分泌されます。睡眠の質を上げるには、「入浴」や「就寝前にスマートフォンを見ないこと」などが有効です。スマートフォンには「ブルーライト」という青色光が入っていて、寝つきが悪い・眠りが浅いといった症状を引き起こすことがあります。

 

<引用・参考>
・「化粧品事典」 日本化粧品技術者会 丸善
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html