次の台風に備える!過去から学ぶ安全対策と備え

2025年は、1号が6月に入ってから発生し、例年と比較すると遅い台風1号の発生になったものの、7月に入ると7個も発生しハイペース(平年は3.7個)!8月上旬には、関東へ接近する台風もありました。10月にかけて台風シーズンを迎えますので、今一度、安全対策について見直してみましょう!

台風の発生数や上陸数

8月以降、本格的な台風シーズンを迎えます。まずは、台風の発生数や上陸数の特徴を見ていきます。2025年は、8月15日までに11個の台風が発生し、そのうち1つの台風が北海道へ上陸しました。
2020年~2025年現在までの月ごとの台風発生数を見てみると、8月の発生数は5.8個。5個~6個の台風が発生していたと言えます。

月別の上陸数を見てみると、2020年を除いて、7月から9月の間に1個~2個の台風が上陸しています。

今年この先はどうか、というと、台風の生まれ故郷であるフィリピン海付近の海面水温が高く台風の発生しやすい状況が続く予想です。

夏台風と秋台風の違い

台風は1年中発生する可能性のある現象ですが、そのうち日本に接近し、影響を及ぼすのは7月~11月の期間です。8月までに発生する台風は夏台風、9月~11月に発生する台風を秋台風と呼びそれぞれ移動速度や進路に特徴があります。どちらの時期も、太平洋で発生するのは同じなのですが、偏西風(ジェット気流ともいいます)という強い西風にいつ乗れるかによって、移動速度と進路が変わってきます。それぞれ特徴を見ていきましょう。

・夏台風の特徴

夏の高気圧が日本付近に張り出していて、台風の進路をブロックしています。偏西風も日本の北を流れていることが多いため、偏西風に乗ることができず、移動速度も秋と比べるとゆっくりで、中々進路が定まらず迷走することが多いという特徴があります。のろのろと日本へ近づいてくるため、大雨や暴風など荒天が長期間続く事もあります。

・秋台風の特徴

夏の高気圧の勢力が衰え、偏西風も日本付近を流れているため、夏の時期に比べると早めに偏西風に乗り進路を東へ変え、スピーディーに日本付近へ接近しやすくなります。秋雨前線が日本付近に停滞している場合は、台風由来の暖かく湿った空気が前線を刺激し、広範囲で大雨になる場合があります。

2024年8月の事例から学ぶ安全対策と備え

2024年は、8月に2つの台風が日本へ接近・上陸し、それぞれ大雨と暴風をもたらしました。二つの事例をもとに、安全対策・早めの備えを確認しておきましょう。

・2024年台風7号(アンピル)

非常に強い勢力で関東地方と東北南部に接近し、台風周辺の暖かく湿った空気や台風本体の雨雲の影響で、関東地方や東北地方では、大雨となったところがありました。また、海上を中心に暴風に見舞われました。
ちょうどお盆期間の後半に関東・東北南部に襲来したため、道路の通行止めや速度規制、新幹線や飛行機の欠航、新幹線の運休など、交通機関に大きな影響が出ました。テーマパークも臨時休業や営業時間が短縮になりましたね。みなさんの記憶にも残っているのではないでしょうか?

・2024年台風10号(サンサン)

日本付近で動きが遅くなり、強い勢力で鹿児島県に上陸した後、西日本を横断しました。
台風本体の雨雲や暖かく湿った空気の影響が長く続き、西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な大雨となりました。また、鹿児島県には暴風、波浪、高潮の特別警報が発表されました。
台風は、お住いの地域からまだ離れていたとしても、大雨に見舞われることがあり、接近・上陸が予想される場合は、暴風の対策も必要です。台風情報を確認し、事前に対策をしましょう。

・大雨への備え

・雨どいや側溝、排水溝などを掃除する
落ち葉やゴミなどが溜まっていると水が流れず、あふれてしまう可能性があります。雨が降りだす前に掃除をして、水はけを良くしておきましょう。
・水の確保
断水に備えて、飲み水を確保しておきましょう。また、浴槽やペットボトルなどに水をためておくなどして、生活用水も準備しておくと良いでしょう。

・暴風への備え

・外にある飛ばされやすいものをしまう
台風による暴風で物が飛ばされ、窓ガラスが割れてしまう事があります。植木鉢や傘立て、物干し竿などは、早めに室内へしまうようにしましょう。
・網戸のゆるみを確認し・はずれ止めをする
雨戸やシャッターがある方は、暴風に備えて雨戸・シャッターを締めましょう。マンションなどで雨戸のない方は、網戸がゆるんでいないか確認し、しっかりはずれ止めをセットしましょう。
・窓ガラスに養生テープを貼る
万が一飛来物によって窓ガラスが割れてしまうと、ガラスが飛散しとても危険です。養生テープを「バツ印」もしくは「米印」に貼っておくと、ガラスの破片が飛び散るのを防いでくれます。カーテンやブラインドも下げておくと、より安心ですよ。

・大雨・暴風に共通してできる備え

・非常用持ち出し袋の中身を確認する

非常用持ち出し袋非常袋2

非常用の食べ物や懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、衣類、常備薬・消毒液など、非常時に持ち出せるように確認・準備しておきましょう。
・避難所の場所や家族の約束事を確認する
ご自宅の近くの避難場所と避難経路を確認しておきましょう。また、家族との連絡方法を改めて確認しておくと良いですね。

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(参考)
気象庁 台風や集中豪雨から身を守るために 自分で行う災害への備え
気象庁 過去の台風資料