今年2025年も東北地方に熱いお祭りシーズンがやってきました!8月上旬は『東北3大祭り』や『東北6大祭り』などといわれる、東北の夏を彩るお祭りが開催されます。
開催期間の天気予報や注意点、それぞれのお祭りについて、東北出身の気象予報士が解説します!
2025年 東北6大祭り開催期間の天気予報
昨年2024年は8月1日に東北南部で、翌2日には東北北部で梅雨明けの発表があり、期間中は概ね晴れて気温がグングン上がりました。東北でも猛暑日地点が続出し、気温の上がる午後は大気の状態が不安定となって雷雨となった所もありました。
例年この時期は暑さや急変が心配ですが、今年2025年の天気はどうなるのでしょうか?
お祭り期間中は、台風や低気圧の影響で、度々雨が降るでしょう。
8月スタートの1日(金)から2日(土)は、台風の影響で宮城県や福島県は雨が降り、風の強まるタイミングがあるでしょう。青森県や秋田県でも2日(土)は雨の降ることがありそうです。3日(日)から4日(月)は全般に晴れ間が出ますが、5日(火)以降は低気圧や前線で雨が降り、大雨となるおそれがあります。公式サイトで最新の情報をご確認ください。
気温は晴れ間が出ると35度前後まで上がり、猛烈な暑さとなるでしょう。雨でも30度を超えて蒸し暑くなりそうです。一日を通して熱中症リスクの高い状態が続きますので、のどが渇く前に意識的に水分補給をし、汗をかいたら塩分もとるようにしてください。体調に異変を感じたら、木陰や座れる場所で休みましょう。自力で水分をとれない場合は、無理をせずに病院を受診してください。
東北3大祭り・6大祭りとは?
東北3大祭りとは、「青森ねぶた祭(青森県青森市)」、「秋田竿燈まつり(秋田県秋田市)」、「仙台七夕まつり(宮城県仙台市)」を指します。1958年に日本国有鉄道が観光キャンペーンを行ったことで広まったといわれています。
東北6大祭りは上記の3つに「盛岡さんさ踊り(岩手県盛岡市)」、「山形花笠まつり(山形県山形市)」、「福島わらじまつり(福島県福島市)」が加わります。4大祭り(※3大祭り+山形花笠まつり)・5大祭り(※4大祭り+盛岡さんさ踊り)とすることもあります。
いずれのお祭りもお盆前の8月上旬に開催され、東北各地で盛り上がりを見せます!ホテルなどの宿泊施設は早い段階で予約が埋まってしまうので、旅行で行く方は計画をしっかり立てましょう。
・青森ねぶた祭とは(青森県青森市)
開催期間:毎年8月2日~7日
公式サイト:https://www.nebuta.jp/
東北のお祭りの中でも観客数が最大で、毎年約300万人が訪れます。
“ねぶた”は“眠り流し”という東北地方の行事に由来するといわれます。“ねぷた”もあり、青森県弘前(ひろさき)市で行われる“弘前ねぷたまつり(毎年8月1日~7日)”を指します。ねぶたは立体的、ねぷたは平面的な山車なのが特徴で、「凱旋のねぶた」と「出陣のねぷた」ともいわれ、ねぶたは賑やかなのに対してねぷたは落ち着きがあり、性質が大きく異なります。
青森ねぶたの最終日の夜には花火大会とねぶたの海上運行が行われ、祭りが締めくくられます。
・秋田竿燈まつりとは(秋田県秋田市)
開催期間:毎年8月3日~6日
公式サイト:https://www.kantou.gr.jp/
竿燈(かんとう)祭りは、多い年で約130万人の観光客が訪れ、お祭りは昼も行われますが、本番の夜は灯りが揺らめいて圧巻の光景です。
五穀豊穣を祈るお祭りで、長い竹竿に米俵に見立てた提灯を吊るし、稲穂を表しています。重さは約50kgとかなりの重量があり、額、肩、腰に乗せて操ります。座って見たい方が多いかと思いますが、観覧席は事前予約制です。会場周辺では段ボールの椅子が売っていたりします。
竿燈まつりは雨にやや弱く、天候次第で時間が短縮されることがあります。2014年の最終日はどんどん雨脚が強まって途中で終了となりました。
・盛岡さんさ踊りとは(岩手県盛岡市)
開催期間:毎年8月1日~4日
公式サイト:https://sansaodori.jp/
盛岡さんさ踊りは、東北のお祭りのトップバッターです!
三ツ石伝説という鬼が三ツ石の神様に退治された話が由来ともいわれ、「さっこら(幸呼来)」という掛け声にもあるように、幸せを呼ぶお祭りです。
さんさ踊りは太鼓の音が特徴で、過去にはギネス記録に登録されたこともある世界一の太鼓パレードです。頭にはレンゲや朱牡丹に見立てた花笠をかぶり、鮮やかな腰帯を身に着けます。
最終日には誰でも自由に参加できる「大輪踊り(だいわおどり)」が行われ、4日間の祭りが締めくくられます。
・仙台七夕まつりとは(宮城県仙台市)
開催期間:毎年8月6日~8日(8月5日は前夜祭として仙台七夕花火祭を実施)
公式サイト:https://www.sendaitanabata.com/
毎年200万人以上が訪れ、東北のお祭りの中でも他と少し性質の異なる「静の祭り」です。
お祭り期間中、仙台市の中心部は七夕飾りで華やかに彩られます。仙台七夕まつりの七夕飾りは竹と和紙で作られていて、豪華で且つ風情を感じられます。アーケード街などに飾られた七夕飾りの吹き流しを見物客はくぐるのですが、繊細な作りですので引っ張ったり破いたりすることは絶対にしないでください。飾りは毎年職人によって作られ、中には数百万円するものもあります。
最大の敵は雨で、和紙が雨に弱いため、急いでビニールがかけられます。七夕祭りの期間中に毎年1日は雨が降るというジンクスがあるんだとか…
・山形花笠まつりとは(山形県山形市)
開催期間:毎年8月5日~7日
公式サイト:https://www.hanagasa.jp/
山形花笠(はながさ)祭りは、山形県尾花沢市の築堤工事の際に唄われた土搗唄(どつきうた)が由来のお祭りで、毎年8月27~28日には“おばなざわ花笠まつり”も行われています。
花笠は、山形県の県花である紅花をイメージした飾りがあしらわれているのが特徴で、色とりどりの花笠や衣装がとても華やかです。子どもから大人まで様々な団体が踊り歩く姿はダイナミックです。夜のパレードがメインですが、昼も参加型のイベントが行われます。早い時間から行かれる方は、山形は暑い地域なので熱中症に注意が必要です。
・福島わらじまつりとは(福島県福島市)
開催期間:毎年8月第1金曜日~日曜日
公式サイト:https://www.waraji.co.jp/
福島わらじまつりは、日本一の大わらじを担いで街を練り歩くのが特徴です。大わらじは長さが12m、幅は1.4mもあり、重さはなんと約2tもあるんです。
2月に行われる神事「信夫三山暁まいり」が由来とされ、健脚や旅の安全を願って、大わらじ(片足分)が奉納されます。「わらじおどり」や「わらじ競走」など、さまざまなイベントが行われます。