自由研究で楽しく防災を学ぼう!オリジナルの防災マップ作り

夏休みの自由研究、テーマに悩んでいる方は、オリジナルの防災マップを作ってみませんか?自分の目で見て、足で確かめて作成した防災マップが、災害が起こった時に家族やクラスのお友達の役に立つかもしれませんよ。

<目次>
・「防災」とは?災害の種類にはどんなものがある?
・防災を学ぶ自由研究に!自分のまちの防災マップを作ろう

「防災」とは?災害の種類にはどんなものがある?

自由研究
地震や大雨・台風などによる土砂災害や川の洪水など、自然災害が起こった際、被害が少なくて済むように備えることを「防災」と言います。

災害をもたらす現象は、地震や台風など様々あるため、まずはそれぞれの特徴を知って、どのように備えれば良いのか見ていきましょう!

・地震
住まいの地震対策
いつ、どこで、どの程度の揺れが起きるのか事前に予測ができない自然現象です。緊急地震速報という、地震計で揺れを感知してから大きな揺れが来ることを知らせる仕組みがありますので、強い地震の直前であれば、机の下などに避難したり、ガラスや壁・ブロック塀など上から物が落ちてこない所で安全を確保したりすることができます。
地震に備えるためには、日頃から家の中に安全スペースを設けたり、備蓄を整えておいたりするといいでしょう。また、海辺や川に近い場所にいる時に大きな地震が発生したら、津波が襲ってくる可能性があります。近くの高台や避難タワーなど津波が発生したときに逃げる場所も確認しておきましょう。

・大雨(集中豪雨)
発達した低気圧や台風の接近時や、前線が停滞するなどして雨が長く続いたり、夏の夕立など短い時間にザっと強い雨に見舞われたりすることで発生する災害です。雨量が増えることで、土砂災害や、川の増水・氾濫、地下街やアンダーバスなど水の溜まりやすい場所が浸水するなどの被害が発生します。
地震とは異なり、数日前から大雨になるかもしれないということを予測できるため、もしもの時は、事前に避難するなど対策を取ることができます。
大雨によって危険になる場所や、避難場所などを調べておくといいですね。

・暴風

こちらも発達した低気圧や台風が近づいている際に風が強く吹く事で発生する災害です。木や看板、工事現場の足場などが倒れてしまう場合があります。
大雨と同様に、数日前から風が強まることを予測することができますから、事前に備える事が可能です。
大きな木がある場所を調べておいたり、植木鉢や傘立てなどお家のもので飛ばされてしまいそうなものがあれば、すぐにしまえるように確認しておきましょう。

・雷や竜巻
雷しゃがみ
落雷や竜巻などの激しい突風は、発達した積乱雲によって起こる災害です。雷や竜巻が発生しそうな状況になりそうだということは数日程度前からわかりますが、具体的にいつ頃・どの地域で落雷や竜巻の危険があるという予測は、数時間程度前でないとわかりません。雷注意報の発表で、落雷や竜巻の注意喚起をしているので、自分の住んでいる場所で発表されているか確認するといいでしょう。
外にいる際に雷が聞こえてきたらすぐに避難できるように、頑丈な建物をチェックしておくといいですね。

・高潮
高潮は、海面が異常に上昇することで起こる災害です。発達した低気圧や台風によって気圧が低くなると、海面が吸い上げられて上昇したり、強い風によって海水が海岸へ吹き寄せられたりすることで発生します。高潮により海水が堤防などを超えてしまうと、浸水被害が発生することも。大潮の時期と重なっている場合は、さらに危険度が増してしまいます。
大雨や暴風と同様に、数日程度前から高潮発生のおそれを予測することができるため、事前に備えることが可能です。住んでいる場所が高潮のリスクが高いのか確認し、事前に避難場所をチェックしておきましょう。

防災を学ぶ自由研究に!自分のまちの防災マップを作ろう

防災マップをつくろう
もし、大雨や地震が起こった場合、お家のまわりに危険な場所はないかな?避難する時は、どの道を通ってどこに避難したらいいかな?災害が起きたときに、お家の人と別々の場所にいた時どうしたらいいかな?実際にお家のまわりを調査して、家族で話し合ったことを、自由研究として提出してみましょう!

◆用意するもの
・お家のまわりの地図(google mapなど)
・お家のまわりのハザードマップ
・カメラ(タブレットなどで実際に写真を撮れるといいですね)
・調査結果をまとめて提出する用の紙(ノート)

◆進め方
①お家のまわりの地図を用意します
google map(https://www.google.com/maps/)などを、スクリーンショットもしくは印刷すると良いですよ。
※あとで、この地図に写真を載せたり、危険があるなと思う場所を書き込んだりします!

②ハザードマップを確認しよう
ハザードマップは、国や自治体が作成している、洪水や土砂災害など災害ごとに、自分の住んでいる場所の近くではどんな危険があるかを調べる事ができる地図です。

洪水や土砂災害、高潮、地震など、どんな危険があるかメモしておきましょう!

下のポータルサイトや、「○○市(町・区) ハザードマップ」などで検索しても、ハザードマップを見ることができるよ。
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/

<メモのポイント>
・もし大雨によって洪水や、高潮が発生した場合は、建物が水没したりする可能性はある?
何メートル浸水する危険があるかメモしておこう
・お家の近くに、土砂災害が起こりそうな危険な箇所はある?地図に場所の印をつけておこう
・お家のまわりの避難所や災害時に水がもらえる給水拠点(災害時給水ステーション)はある?地図に場所の印をつけておこう

③お家のまわりを探検・調査しよう!
ハザードマップで印をつけた場所(避難所や災害の危険のある場所)に実際に行ってみよう。
避難所へ行く場合は、行くまでの通り道に、自分が危ないと思う場所、例えば、倒れてきたら危ないブロック塀や電柱、大雨で水が溜まりそうな地下道がないか確認しながら調査するといいよ。写真を撮って、どんな危険があると思ったのかメモも残しておきましょう。
外で活動するので、帽子・水筒などを必ず持って、熱中症に注意しながら調査して下さいね。

また、電柱や学校などの建物に、洪水に関する標識(浸水想定深標識)がないか探検し、写真を撮って、どこに表示があったのか地図にメモをしておこう。普段は気にしていないかもしれないけれど、お家のまわりに防災に関する標識があることから発見になるね!
防災標識の見本
④探検でとった写真やメモを使って、オリジナルの防災マップをまとめよう
地図に危険な場所や避難所、実際に探検して危険がありそうだと思った場所に印はつけられたかな?探検の結果や調査して思った事を、提出用にまとめていこう。

調べ学習のまとめの項目は、次の7つ!

自由研究のまとめ方
①タイトル
オリジナル防災マップにタイトルをつけよう!
例:僕(私)のお家の防災マップ、もしも大雨が降ったら(地震が起きたら)マップ
②研究のきっかけ
どうして防災マップを作ろうと思ったのか、きっかけを書きましょう。
例:最近地震が多いから、地震が起きたときにどうするか考えようと思ったから
③研究で調べたいと思った事
この研究の目的を書きましょう!
例:大きな地震が起きたときに、避難する場所を調べたい。学校に行っている時、遊びに出かけている時に起きたらどうするか、家族で決めておきたい。
④研究の方法・使った道具
どんな風に調査したか手順と、研究に使った物を書きましょう。進め方と用意するものを参考にしてね。
⑤研究結果
調査をした日(期間)と、印や写真をつけた地図を貼りましょう。
⑥わかったこと
ハザードマップで調べてわかったことや、実際に探検してわかったこと・思ったことを書こう。
例:一番近い避難所は○○でした。避難所まで行く間に、■■■■があって危ないなと思いました。
洪水に関する標識が○○にあったのは知りませんでした。
⑦感想
防災マップを作ってみた感想を書きましょう。調査に行く前に思ってたことと、調査に行ってみて思っていたのと違う事や驚いた事があれば、書いてみるといいよ。
例:思っていたより危険な場所があって、びっくりしました。

オリジナルの防災マップ作りで調べたことや知識は、お家の人やクラスのお友達にも役に立つ情報になりますね!楽しみながら、もしもの時に備えましょう。

(参考資料)
・東京都 防災教育ポータルサイト 防災ノート<小学生版>
https://www.anzenedu.metro.tokyo.lg.jp/shogaku/

・国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/

・国土交通省 記者発表 市街地に浸水深等を表示します
https://www.mlit.go.jp/river/press_blog/past_press/press/200607_12/060703/index.html

・国土交通省 防災標識 教員向け手引き
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/education/pdf/hyoushiki02.pdf