台風2号から変わった熱帯低気圧の影響で、関東や東海では、今日25日(水)明け方から局地的に激しい雨や非常に激しい雨が降りました。このコラムではこの後の天気傾向、雨の原因、都市部でも注意したい大雨災害について気象予報士が解説します。
今日午前中は東海で猛烈な雨の降った所も!明日にかけて警報級の大雨のおそれ
関東や東海では、今日25日(水)明け方から局地的に激しい雨が降り、東海では非常に激しい雨や猛烈な雨の降った所がありました。
岐阜県の上石津(かみいしづ)では、11時40分までの24時間に降った雨の量は389ミリと、2016年の統計開始以来、記録的な雨となりました。
明日26日(木)にかけて、関東や伊豆諸島では、大気の状態が非常に不安定となり、断続的に激しい雨の降る所があるでしょう。
雨雲が発達した場合は警報級の大雨となる可能性があります。
東海では大雨のピークは過ぎましたが、今日25日(水)この後も局地的に強い雨や激しい雨の降る所がありそうです。
25日6時から26日6時までに予想される24時間降水量
関東地方 100ミリ
東海地方 120ミリ
伊豆諸島 50ミリ
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。
落雷や突風、ひょうにも注意が必要です。
激しい雨の原因は熱帯低気圧がもたらす暖かく湿った空気
関東や東海の激しい雨の原因は、今日25日(水)午前3時に台風2号から変わった熱帯低気圧が持ち込んだ暖かく湿った空気です。
大量の水蒸気を含んだ空気が上昇すると、雨雲が発達します。たっぷりと水蒸気を含んだ雨雲が、大雨をもたらします。
熱帯低気圧は明日26日(木)にかけて関東の沿岸に接近した後、次第に寒気が入り温帯低気圧に変わりそうです。
熱帯低気圧と温帯低気圧の違いは、エネルギー源や構造などです。
熱帯低気圧は、暖かい海からの水蒸気をエネルギー源としますが、温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気の温度差をエネルギー源として発生します。
また、熱帯低気圧は前線を伴いませんが、温帯低気圧は前線を伴うことが多いです。
なお、明日26日(木)は雨の範囲が北に広がり、東日本や北日本の沿岸部では風も強まりそうです。
断続的な大雨で気を付けたい都市部での災害とは?
今回の大雨は、都市部でも土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に注意が必要です。
都市部で発生する大雨災害について解説します。
土砂災害
土砂災害は山地など緑の多い場所で発生しやすいイメージがありますが、都市部でも発生するリスクがあります。丘陵地に建設された住宅地の斜面などでは土砂災害のリスクが高まります。
低い土地の浸水
周囲より低い土地は水が集まりやすく、浸水の影響を受ける傾向があります。側溝やマンホールから水があふれだし、短時間で広がる可能性があります。
また、道路や鉄道の下をくぐるアンダーパスと呼ばれる場所も、周辺の散綿よりも低くなっているため、雨水が溜まりやすく冠水のリスクがあり注意が必要です。
内水氾濫は、都市部の排水能力を超えた雨水が、下水道や側溝からあふれ出し、市街地が浸水する現象です。内水氾濫の詳しい説明はこちらから。
川の増水
都市部ではアスファルトやコンクリートで覆われた面積が広いため、雨水が地中に浸透しにくく、短時間で大量の雨水が河川に流れ込むと、増水が起こりやすい傾向があります。