【気象予報士が解説】9日昼前から鹿児島県で線状降水帯発生のおそれ!線状降水帯のメカニズムや事前対策は?

梅雨前線が活発化!九州は大雨に厳重警戒を!


今日9日(月)は梅雨前線の北上に伴って、九州は大雨が予想されています。
前線に向かって、梅雨末期に流れ込むような暖かく湿った空気が流れ込んでいるためです。九州を中心に大気の状態が不安定となり、雷を伴い1時間50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、大雨となる所がありそうです。また、前線が停滞し、降水量が多くなるおそれがあります。
予想される雨の降る量は、いずれも多い所で以下の通りです。
【9日6時から10日6時までの24時間】
▼九州北部 150ミリ
▼九州南部 200ミリ
【そのあと10日6時から11日6時までの24時間】
▼九州北部 200ミリ
▼九州南部 120ミリ
九州南部の奄美地方を除く鹿児島県では、今日9日昼前から夜のはじめ頃まで線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
土砂災害や低い土地の浸水、川の増水・氾濫に厳重に警戒してください。

【用語解説】線状降水帯とは?

線状降水帯
気象庁によると、線状降水帯は、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」と定義されています。
気象庁では、大雨災害に対する心構えを一段高めることを目的に、線状降水帯の発生する可能性についての情報を発表しています。こまた、線状降水帯が発生した場合や、30分先までに基準に達すると予測される場合には「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されます。顕著な大雨に関する気象情報は発表基準がいくつかあり、雨雲が線状に連なっていても、必ずしも情報が発表されるわけではありません。雨雲レーダーなどで活発な雨雲の停滞が予想される場合は、自らの判断で避難や対策を検討しましょう。

直前に見直したい!対策とは?

垂直避難
避難をする際は「水平避難」と「垂直避難」を意識してください。
水平避難とは、今いる場所から近くの安全な場所へ避難することです。
これに対し、垂直避難とは、災害が発生している時に、今いる建物または目の前の建物の高層階へ避難する方法です。
水平避難は、主に災害が発生する前に行うものです。河川が氾濫したり、土砂が崩れ始めたりしている場合に、水平避難を行うと非常に危険です。最終手段として「垂直避難」をするようにしてください。

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