【気象予報士が解説】台風1号の発生はいつ?“台風のたまご”が発生して来週は梅雨前線が活発化するおそれも

この週末からは梅雨前線が北上し、来週にかけて本州付近に停滞するため、九州北部から関東甲信では梅雨入りとなる可能性が高まっています。また、フィリピンの東海上には低圧部がこのあと発生し、“台風のたまご”となって、北よりに進む可能性が出てきました。
梅雨前線の動向、前線+台風の大雨のパターンについて、気象予報士が解説していきます。

台風1号は9年ぶりに6月にずれ込む 今後“台風のたまご”が発生か?

今年2025年は今日6月5日午前時点でまだ台風が発生しておらず、2016年以来9年ぶりに台風1号の発生が6月にずれ込んでいます。過去には台風1号の発生が7月となったこともありますが、現時点ですでに統計史上7番目に遅い記録を更新していて、6番目の記録(6月9日15時)や5番目の記録(6月10日3時)も目前に迫ってきています。

2025年6月5日21時の予想天気図には、フィリピンの東海上に台風のたまごとなる“低圧部(Lマーク)”が見られ、今後の動向次第では台風1号となる可能性も出てきました。
また、この先は梅雨前線が北上し、本州付近に停滞する予想となっていて、台風や熱帯低気圧の直接的な影響がなくても、湿った空気が流れ込むことで前線の活動が活発となるおそれがあります。

「前線+台風」は大雨のパターン!

この週末からは梅雨前線が北上し、来週にかけて本州付近に停滞するでしょう。九州北部から関東甲信ではこのタイミングで梅雨入りとなる可能性が高まっています。梅雨前線の位置の予想は難しく、前線の活発な雨雲が掛かると、『線状降水帯』が発生するおそれもあります。また、台風が発生すれば、接近前から暖かく湿った空気が流れ込んで前線の活動が活発化し、大雨となる可能性があります。
過去には前線+台風のパターンで大雨となったことが多々あります。昨年2024年は5月25日に台風1号が発生し、5月27日から28日にかけて本州付近に停滞する前線が活発化しました。九州南部から東海では線状降水帯発生の可能性が高まり、高知県大栃(おおどち)では1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降りました。

本格的な雨のシーズン前に確認!大雨災害への注意ポイントとは?

・ハザードマップを確認してリスクを把握する

ハザードマップ

まずは、ハザードマップでお住まいの地域の浸水のリスクを知りましょう。内水氾濫のハザードマップがない地域は、洪水のハザードマップや過去の浸水被害を確認してみてください。
自宅や会社、学校などの周辺はもちろん、避難場所や避難経路もあわせて調べるようにしましょう。

・雨水ますの掃除や土のう・水のうの用意

自宅前の道路の雨水ますに落ち葉やゴミが溜まっていると、水が流れ込みづらくなります。定期的に掃除をするとよいでしょう。
また、大雨が予想される場合は土のうを設置することで、自宅内へ雨水が流れ込むことを軽減することができます。土のう袋はホームセンターなどで購入することができます。また、若干強度は落ちますが、土砂の代わりに水を入れた水のうであれば、比較的簡単に準備することが可能です。

・避難の際は早く上に逃げる

垂直避難

大雨で避難する際は、地下から地上へ、地上では頑丈な建物の2階以上や高い場所へ逃げてください。停電や水圧で扉が開かなくなる可能性もありますので、水が溜まる前に早めに避難しましょう。すでに屋外への避難が困難な場合は、建物の中でも川や崖から離れた2階以上の部屋に移動してください。