5月20日(火)に気象庁から3か月予報が発表されました。
3か月予報によると、降水量が多く、平年以上に暑い夏が予想されています。詳細を気象予報士が解説していきます。
なぜ大雨&猛暑に?海水温が高いことが理由
今年2025年は、日本近海で海水温の高い状態が続いていて、また、日本の南の海上には、夏を代表する太平洋高気圧とチベット高気圧が張り出し、その間を暖かく湿った空気が流れ込みやすいでしょう。
このため、梅雨前線が停滞しやすい6月から7月は前線の活動を活発化させ、日本付近は台風や熱帯低気圧といった熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の通り道となりやすいでしょう。前線による大雨に注意・警戒が必要です。
また、暖かな空気が流れ込むことで、例年以上の暑さとなり、暑さが長期化した昨年2024年に匹敵するような猛暑になる可能性もあります。
【気温の予想】8月にかけて平年上回る暑さ!
8月にかけて全国的に気温は平年より高いでしょう。高い確率は50%以上となっていて、各地暑さが予想されています。
6月は梅雨ならではの湿度が高く、まとわりつくような暑さですが、汗をかいても乾きにくく、暑さに慣れないうちは熱中症に注意が必要です。また、例年、梅雨明け直後やお盆明けは暑さへの慣れである「暑熱順化(しょねつじゅんか)」がリセットされ、熱中症リスクが一層高まります。冷房を適切に利用し、暑い時間帯は極力外出しないなど、熱中症の対策をいま一度見直しましょう。
【雨の予想】梅雨時期も8月も線状降水帯による大雨にも警戒
本州付近で8月にかけては平年並みの降水量が予想されています。ただ、6月は東・西日本で、7月と8月は全国的に平年より降水量が多い方に確率が高く、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込む可能性が高くなっています。
梅雨前線の位置の予想は難しく、前線の活発な雨雲が掛かると、『線状降水帯』が発生し、大雨となるおそれもあります。また、南の海上を台風が北上すると、前線の活動を活発化させ、大雨となる可能性もあります。これまでに経験したことのないような大雨となる可能性も否定できませんから、早めに備えを見直しましょう。
いま見直したい大雨&猛暑対策!
今年の梅雨期間も大雨が予想され、猛暑となる可能性が高くなっていますが、この機会に対策をいま一度見直しましょう。
<大雨>
本格的な雨のシーズンに入る前にいま一度ハザードマップを確認しましょう。特に今年引っ越された方や、4月から学校や勤務先が変わった方は、自宅周辺だけではなく、通学・通勤経路も含めてチェックしてみることをおすすめします。
<猛暑>
5月の突然の暑さですでに冷房を利用されている方もいるかもしれませんが、本格的な夏を前にエアコンの掃除や試運転をしましょう。
また、気温が著しく高いと予想される場合は気象庁と環境省が共同で「熱中症警戒アラート」を発表します。昨年2024年からは過去に例のない危険な暑さが予想される場合に一段と強い呼びかけとなる「熱中症特別警戒アラート」の運用も始まりました。熱中症対策を徹底するためにも対策をいま一度見直しましょう。
<参考・画像引用>
・気象庁「向こう3か月の天候の見通し」(閲覧日2025年5月21日)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M
・総務省「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r6/heatstroke_nenpou_r6.pdf
・環境省「熱中症予防情報サイト」
https://www.wbgt.env.go.jp/about_special_alert.php