三社祭の天気 三社祭の歴史や過去10年の天気傾向を振り返り持ち物も解説

毎年5月、東京の浅草が1年で最も熱気に包まれるイベント、三社祭が行われます。
今年2025年の三社祭の開催期間は5月16日(金)から18日(日)の3日間です。
このコラムでは、三社祭の歴史や見どころ、過去から今年2025年の天気傾向を解説します!

三社祭ってどんな祭り?いつからはじまった?

三社祭(さんじゃまつり)とは、正式名称は「浅草神社例大祭」といい、東京都の浅草にある浅草神社で毎年5月中旬の金・土・日曜日に行われるお祭りです。
起源は1312年(正和元年)に隅田川で行われていた、三社の神話に基づいてお神輿(みこし)を船にのせる船祭です。この船祭は江戸末期まで続き、1872年(明治5年)からは、氏子と各町会でお神輿が巡行する現在の形になりました。
現在は三社祭開催中の3日間で約180万人の人出があり、江戸風情の残る浅草が1年で最も活気づくイベントとなっています。

三社祭の三社とは?

三社祭の三社とは、浅草神社で祭られている3人の神様をさし、「土師真中知命(はじのまなかちのみこと)」、兄弟の「檜前浜成命(ひのくまのはまなりのみこと)」と「檜前武成命(ひのくまのたけなりのみこと)」です。
三社の“社”は、土地の神という意味で、もともとは浅草の地にゆかりのある漁師の兄弟と文化人でした。

三社祭の見どころは?どの日のどの行事を見ることがおすすめ?

三社祭の1日目の見どころは、なんといっても「大行列」と「神事びんざさら舞」です。大行列では、お囃子屋台や鳶頭木遣り(かしらきやり)をはじめ、浅草の各舞、芸妓連の手古舞や組踊りを見ることができとても華やかです。神事びんざさら舞は、東京都無形文化財に指定され、五穀豊穣、商売繁盛、子孫繁栄などを祈願する舞です。
2日目の見どころは、正午から行なわれる、各町会の「神輿連合渡御(とぎょ)」です。44の町会から約100基のお神輿が浅草神社に集まり、順番にお祓いを受けながら町を練り歩きます。
そして、三社祭最大の見どころは3日目の「本社神輿各町渡御」です。三社様をのせた「一之宮」「二之宮」「三之宮」の3基の本社神輿が浅草の町を一日かけて練り歩きます。早朝、3基の本社神輿を境内の外へ運ぶ「宮出し」からはじまり、浅草の町を練り歩きます。フィナーレは夜に行われる「宮入り」です。3基の本社神輿は大勢の人が出迎える境内に戻り、盛り上がりは最高潮に達します。

三社祭の天気傾向について

ここからは、三社祭の会場に最も近い東京のアメダスの昨年2024年までの過去10年の気象データをもとに、三社祭の天気を振り返ります。なお、2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の影響により、開催が中止となりました。

日中は最高気温が25℃以上の夏日に 熱中症に注意

三社祭の天気(最高気温)

三社祭の行われる5月中旬から下旬は、晴れる日の日中の最高気温は25℃前後まで上がります。
過去10年で、最も気温が高かったのは2017年の3日目、5月21日で最高気温は30.9℃を観測し、真夏日となりました。
午前9時の時点で気温は25℃に達し、お昼前後には30℃前後まで上がりましたが、湿度は低めで比較的カラッとした暑さになりました。
一方、最も気温が低かったのは、2022年の1日目の20.7℃。
この日は、本州の南岸を低気圧が前線を伴って通過し、朝から雨が降ったりやんだりでした。この最高気温は朝に観測されたもので、日中は20℃に届かず肌寒い体感となりました。
晴れる日は比較的カラッとした暑さになるものの真夏日となる一方、雨の日は20℃に届かずヒンヤリとするため、天気と気温に合った服装選びが必要になります。

過去10年は雨天で中止となった年も ゲリラ雷雨にも注意

三社祭の天気(日降水量)

過去10年は全く雨の降っていない年もありますが、2022年と2023年は1日に10mm以上の雨が降りました。2022年の1日目は1日に40mm近い雨が降りました。
三社祭は雨天の場合、行事が中止となるため、2022年1日目と2023年の1日目の大行列は雨で中止となりました。
事前に天気予報と三社祭の開催情報を確認して出かけましょう。

今年の三社祭の天気はどうなる?

2025年三社祭の天気

2025年の三社祭の天気は、期間を通して前線が停滞しやすく、開催日直前まで変わりやすい予報となっています。最新の天気予報と三社祭の開催情報を確認してください。

1日目、16日(金)は、くもりでしょう。雨のぱらつくこともありそうです。
最低気温は17℃、最高気温は26℃で、湿度が高く、肌にまとわりつくような蒸し暑さとなりそうです。通気性のいい服装でお出かけください。

2日目、17日(土)は前線の影響で、雨が降ったりやんだりとなりそうです。雷を伴って雨脚が強まり、強い雨が予想される時間帯によっては、雨天中止となる可能性もあります。
最高気温は23℃で、極端な暑さはなく過ごしやすく感じられるでしょう。

3日目最終日の18日(日)は、時折晴れ間が出ますが、雲が広がりやすいでしょう。
午後ほど大気の状態が不安定となり、雨雲が急発達する可能性があります。短時間にザッと雨が降ったり、雷雨となることもありそうですから、天気の急な変化に注意が必要です。
朝から暖かく感じられ、日中は気温がグンと上昇し、25℃以上の夏日になる可能性があります。湿度も高く熱中症リスクが高くなりますので、こまめな水分補給を心掛けましょう。

三社祭の安全な楽しみ方

三社祭を安全に楽しむためのポイントや持ち物をまとめました。特に開催日は気温が上がり夏日になることが多いため、熱中症の対策を万全にしましょう。

・服装
天気・気温によって服装で調節しましょう。暑い日の場合は、袖口や襟ぐりの広いものや、綿や麻などの汗を吸いやすい素材の服を選んでください。また、1日を通して三社祭を楽しむ場合は、朝晩と日中の気温差が大きくなりますので、羽織る物を用意し調節するようにしてください。
雨が降ってヒンヤリする場合は、長袖の羽織る物があると安心です。撥水加工のパーカーがあれば雨をはじいてくれますし、保温効果もあり一石二鳥です。

・帽子や日傘
日差しを遮るために、帽子や日傘を着用しましょう。人の密集しない場所では日傘を利用したり、つばの広い帽子で顔全体をガードするのもおすすめです。

・こまめな水分補給
気温の上がる日は、お祭りの熱気や日照りの路上で、体感的にはかなり暑く感じられそうです。スポーツドリンクや水などをこまめにとり、喉が乾く前に、飲み物を飲みましょう。トイレを意識して水分をとらない方もいるかもしれませんが、水分を全くとらないのも体によくありません。一気に飲むのではなく、冷たすぎないお水を少しずつ飲むことでトイレが近くなるのを避けることができます。

・休憩
暑い時には無理をせず、こまめに休憩を挟みましょう。

・熱中症のサイン
めまいや吐き気、倦怠感など熱中症の症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診するか、救護所に急いでいくようにしてください。
子ども連れの場合は、特に熱中症に注意が必要です。子どもの様子をよく観察し、水分補給や休憩をこまめに行いましょう。

・天気の急変に注意
5月はゲリラ雷雨にも注意が必要です。日中の気温が高く、日本の上空に寒気が流れ込むような日は、局地的に雨雲が発達することもあります。晴雨兼用の傘を持っていくなどの対策をしておくと、急な雨が降った場合に安心です。

三社祭は多くの人が集まるため、混雑が予想されます。混雑を避けて、休憩を挟みながら楽しみましょう。

<参考>
浅草神社ホームページ
https://www.asakusajinja.jp/