今日14日(月)13時現在、沖縄や奄美地方上空に黄砂が飛来している様子が衛星画像で見られます。このコラムでは黄砂がいつまで飛ぶのか、どこに影響があるか、黄砂発生のメカニズムや黄砂への対策について気象予報士が解説します。
明日15日(火)にかけて、沖縄・九州~関東で黄砂が飛来!
明日15日(火)にかけて、沖縄から関東では黄砂が飛来するでしょう。
今日14日(月)は夜にかけて沖縄・九州から東海で、夜は関東も黄砂の飛来が予想されます。
明日15日(火)は、沖縄や東海で午前中をピークに黄砂が飛来するでしょう。
沖縄や奄美は今夜に雨の可能性があるものの、晴れる時間が長く黄砂の影響を受けそうです。
一方、九州から関東は明日15日(火)にかけて雨の降るタイミングがあり、この後の黄砂飛来の影響はさほど大きくはなさそうです。ただ、雨のやむタイミングで黄砂が飛来する可能性がありますので、喉の疾患やアレルギー症状などをお持ちの方は、念のため健康被害に注意が必要です。
黄砂はいつどこで多い?発生のメカニズムや特徴について解説
・黄砂発生のメカニズム
黄砂発生のメカニズムについて解説していきます。黄砂の原因となる砂は中国大陸の砂漠地帯に分布しています。この地域に低気圧が通過すると、強い上昇気流によって多量の砂が上空へと舞い上がります。上空へと舞いやすくなるためには、冬から春の空気が乾燥していることが重要になります。はるか上空では偏西風が流れていて、上空へと舞い上がった砂は、この強い西風に乗って東へと運ばれます。そして、海を越えて日本列島へ達し、自然に落下してくることもあれば、雨に混じって降ってくることもあります。
・黄砂は春に多く飛来する?季節変動について
参照データ:黄砂観測のべ日数表(気象庁)
黄砂が春に多いというのは本当かどうか、月別黄砂観測のべ日数のデータから黄砂の季節変動について確認してみましょう。黄砂観測のべ日数は黄砂を観測した地点の数を合計した日数です。全国には11の黄砂観測地点がありますが、例えば、ある1日に福岡と鹿児島の2地点で黄砂を観測した場合、のべ日数は2日となります。のべ日数が多いときは、日本の広範囲で黄砂が観測されていると解釈するとわかりやすいです。気象庁による黄砂観測のべ日数の平年値を確認すると、2月が3.1日、3月で13.7日、4月19.1日となっています。2月から4月にかけて、のべ日数が多くなっています。春は、黄砂が飛来しやすく、さらに広範囲に影響が出やすい、ということがわかります。
健康への影響は?マスクやメガネを着用できる備えがあると安心
黄砂は濃度が高い場合は健康にも影響を与える可能性があります。例えば、黄砂の濃度は砂漠域に近づくにつれ高くなりやすいです。呼吸器疾患を持病としている方の症状を悪化させることが環境省からも指摘されています。影響を受けやすい地域に行かれた際は、不要な外出は避ける、外出の際はマスクやメガネなども多めに用意しておくと安心です。日本の場合は、その多くは洗濯物や車の汚れにとどまりますが、洗濯物の室内干しや防護シートをかけた外干しなど、対策を万全にしておくとよいでしょう。
また、黄砂によって見通しの効く距離が2km未満になる場合は、航空機への離着陸にも影響の出る可能性があります。悪化の程度によっては欠航することも知識として覚えておくとよいでしょう。
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