【気象予報士が解説】週明けは『南岸低気圧』が通過し関東平野部で雪混じる可能性!最新の見通しは?

春の暖かさから一転、来週は前線が停滞し、真冬の寒さが戻るでしょう。
週明けは、南岸低気圧が予想され、関東では雪の降る可能性が出てきています。最新の雪の見通しを気象予報士が解説します。

関東に大雪をもたらすパターン!南岸低気圧とは?

南岸低気圧
南岸低気圧とは、その名の通り、関東など本州の南岸を沿うように通過する低気圧のことです。冬型の気圧配置がゆるむ2月から3月にかけて通過しやすく、関東で大雪となり交通機関が乱れるような大雪になるのは、この天気図パターンです。
南岸低気圧は、関東の南にある八丈島の北を通るか、南を通るかによって雨と雪の分かれ目になるという研究があります。
雪をもたらすコースは八丈島のすぐ南を通る場合で、低気圧による北風が関東内陸部に溜まった寒気を引きずり下ろすため、気温が低下しやすくなり、雪が降りやすくなります。一方、八丈島の北側を通る場合は、低気圧による南風が吹き込む影響で気温があまり下がらず、雨が降りやすくなります。また、低気圧が八丈島の南側を離れて進む場合は、雪も雨も降らないこともあるとされます。
ただ、あくまで目安であって、過去にはこれに当てはまらないケースも多く、南岸低気圧のコースだけでは、雪か雨かを判断することはできません。

最新の雪の見通しは?都心も雪混じる可能性


今回の南岸低気圧はどのようなコースを通るのでしょうか?低気圧は関東の沿岸に沿ってギリギリのコースを通過する見込みです。
八丈島の北を通るコースは、通常であれば、暖かい空気が流れ込むため、関東は広く雨で推移します。ただ、前線の北側にはシベリア育ちの冬の空気が、前線の南側には春の空気があり、温度差の大きい前線となっています。前線のすぐ北側には冷たい空気が控えているため、関東は雨の可能性が高いものの、北部ほど雪の降る可能性が高まっています。
関東で雪の予想されるエリアは、現状、関東北部が中心です。ただ、都心も気温の低い夜間は雪が降る可能性があります。また、低気圧のコースやタイミング次第では、雪の降る時間が長く、予想外に積雪となることもあるでしょう。
南岸低気圧の雪の予想は、私たち気象予報士泣かせと呼ばれるほど難しく、直前まで予想がガラリと変わることもあります。土日にはなりますが、最新の気象情報や交通情報を確認するようにしてください。

土日のうちに見直しを!大雪に備える

この冬、東京都心では2月にかなりの少雨となり、積雪がまだ観測されていません。来週は前線の位置や上空の寒気の予想が変わりやすく、突然雪の予報に変わる可能性もあります。この土日は、いま一度雪対する事前の備えと外出が必要な場合の対策をご家族で見直しましょう。
冬の防災グッズ
<事前の備え>
・雪かき用スコップが使えるか確認する
・食料や水の備蓄など防災グッズの確認する
・バケツやお鍋に水をくみ置きする
・水道管に保温材を巻く
・毛布や防寒グッズを用意する
・スタッドレスタイヤやチェーンを装備する

<外出が必要な場合>
・最新の交通情報を確認する(計画運休の可能性も確認する)
・外出先の最新情報を確認する(施設の営業時間やイベントの実施情報など)
・滑りにくいフラットな靴を履く
・手には荷物を持たず、リュックサックを利用する
・「ペンギン歩き」を意識する