【気象予報士が解説】春一番とは?今日午後は関東~九州で発表の可能性あり!注意したいポイントとは?

発達しながら日本海から接近する低気圧の影響で、今日12日(水)は『春一番』の発表の可能性が高まっています。春一番は、春を告げる風となる一方、防災上で注意したほうがよい点も多いため、気象予報士が対策も含め解説していきます。

春一番の条件とは?各地で条件異なる

春一番の発表基準
春一番とは、立春(今年2025年は2月3日)から春分(今年は3月20日)までに吹く強い南風のことです。
関東や北陸から九州の各地で発表され、北日本(北海道と東北)と甲信、沖縄は観測されません。発表の目安は①立春から春分の間であることや、②南よりの風ということは共通していますが、風速や気温、気圧配置などは地域によって条件が多少異なります。
なお、春一番は、漁師の間で「春一」と呼ばれていた強い南風を「春一番」と呼ぶようになったことが名前の由来です。1859年2月13日に長崎県壱岐郡郷ノ浦町の漁船が、南よりの強風によって転覆し、53人の死者を出したことがきっかけといわれています。

今日午後は関東から九州で発表の可能性も!


今年2025年は、北陸地方で観測史上最も早く2月3日(月)に春一番の発表がありましたが、そのほかの地域の見通しを解説していきます。
今日午後にも日本海を低気圧が進み、気圧配置の条件は整いそうです。関東から九州の各地で建国記念の日の11日(火)よりも気温の高くなる所も多く、南風が基準に達すれば春一番の発表の可能性が高いでしょう。そらくらの特設サイトでも、随時更新していきますので、最新の情報はこちらからご確認ください。

春一番の注意点とは?対策も解説

冬の寒さがゆるみ、暖かくなる嬉しさもありますが、春一番は防災上、注意が必要な点もあります。気象予報士が春に注意したいポイント(いずれも頭文字がKとなる「春の4K」)と対策について解説していきます。
春の4Kが与える影響
・強風
冬と春の空気がせめぎ合う、これから5月初旬ごろにかけては、低気圧が日本付近で急速に発達しながら通過するケースがあります。天気図を見て、等圧線の間隔が狭いほど強い風が吹きやすくなり、春は強風に注意が必要なシーズンです。強風が予想される場合は鉢植えや物干し竿などは室内にしまうなど、対策を取りましょう。こちらのコラムでは気象予報士が風の強さと体感について解説しています。
・気温差
低気圧が通過するタイミングでは、気温変化も大きくなります。低気圧の通過前には南風が吹き、気温は上昇するものの、次の日には前線が通過し、上空には寒気が入りやすくなります。そらくらの天気予報をチェックして服装選びの参考にしてみましょう。
・花粉
東・西日本ではすでに飛散が始まっているスギ花粉ですが、飛散のピークは3月上旬頃となるでしょう。雨上がりの翌日は特に飛散しやすい条件がそろうため花粉症の方は注意が必要です。マスクやメガネで花粉をガードし、洗濯物はなるべく室内に干すなど、対策をしましょう。
・乾燥
春にかけて晴れる日を中心に空気が乾燥しやすくなります。特に熱めのお湯を使って手や顔を洗うと、皮脂がとれてしまい、乾燥しやすくなります。35℃ぐらいのぬるま湯に設定し、乾燥が気になる場合はこまめにクリームを塗って、肌ケアを意識して行いましょう。
また、火災も多くなるため火の元に燃えやすい物を置かないようにするなど対策をしてください。