今日4日(火)は、夜にかけて低気圧が発達しながら日本海を北上し、日本付近は強い冬型の気圧配置となり、上空には今季一番の寒気が流れ込むでしょう。強い冬型の気圧配置は9日(日)頃にかけて続き、北海道から九州にかけて日本海側を中心に広い範囲で大荒れや大雪のおそれがあります。
最新の雪の見通しや交通機関に影響予測を、気象予報士が解説します。
北海道十勝地方はすでに記録的な大雪!24時間で積雪は1メートル超え
今日4日(火)午前10時時点で北海道は十勝地方を中心に記録的な大雪となっています。帯広や芽室は24時間降雪量が1メートルを超えるなど、帯広は1999年、芽室は1987年の統計開始以来、1位の値を更新しました。
このあとも十勝地方では、今日夕方にかけて大雪となり、交通障害に厳重に警戒が必要です。湿り雪による電線着雪やなだれ、落雷、突風、強風、高波にも注意してください。
日本海側中心に警報級の大雪、暴風雪や暴風のおそれ!予想される雪の降る量は?
この後も強い冬型の気圧配置が続き、今季最強寒波が襲来する影響で、北海道から九州は日本海側を中心に、太平洋側にも雪雲が流れ込んで、大雪や積雪となるでしょう。四国や九州南部など普段雪の少ない地域でも警報級の大雪となるおそれがあります。また、北陸周辺には雪の線状降水帯ともいわれる「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」による活発な雪雲がかかり、短時間で積雪が急増する可能性があります。予想される雪の降る量は、いずれも多い所で以下の通りです。
【4日6時から5日6時までの24時間】
北海道地方 50センチ
東北地方 70センチ
北陸地方 100センチ
東海地方 80センチ
近畿地方 60センチ
中国地方 50センチ
四国地方 30センチ
九州北部地方 30センチ
九州南部 15センチ
【5日6時から6日6時までの24時間】
北海道地方 50センチ
東北地方 100センチ
北陸地方 100センチ
東海地方 70センチ
近畿地方 50センチ
中国地方 50センチ
四国地方 40センチ
九州北部地方 40センチ
九州南部 15センチ
【6日6時から7日6時までの24時間】
北海道地方 40センチ
東北地方 70センチ
北陸地方 70センチ
東海地方 50センチ
近畿地方 30センチ
中国地方 30センチ
四国地方 15センチ
九州北部地方 20センチ
また、全国的に雪を伴った非常に強い風が吹き、北日本を中心に暴風雪となる所があるでしょう。予想される最大風速(最大瞬間風速)は以下の通りです。
【4日】
北海道地方 25メートル (35メートル)
東北地方 23メートル (35メートル)
【5日】
北海道地方 25メートル (35メートル)
東北地方 23メートル (35メートル)
北陸地方 20メートル (30メートル)
【6日】
北陸地方 20メートル (30メートル)
7日(金)以降も北日本から西日本の日本海側を中心に大雪が続いて積雪がさらに多くなり、全国的に荒れた天気が続いて北日本を中心に大荒れとなるおそれがあります。
大雪や猛ふぶきによるによる交通トラブル、暴風雪や高波に警戒し、電線や樹木への着雪やなだれにも注意が必要です。大規模な車の立ち往生など交通網への影響が大きく出る可能性がありますので、ピーク時は不要不急の外出を控え、外出の必要がある場合は最新の気象情報や交通情報を確認し、無理のない範囲としましょう。
今回の大雪で注意すべきポイントとは?
※令和7年2月3日 大雪に対する国土交通省緊急発表より画像引用
今回の大雪では大規模な車の立ち往生など交通網への影響が大きく出る可能性があり、昨日2月3日(月)に国土交通省から大雪に対する緊急発表がありました。
以下の6つのポイントを意識し、大雪や大荒れの天気へ最大限の備えをしてください。
① 不要不急の外出自粛
車両の立ち往生、道路の通行止め、公共交通機関の大幅な遅延や運休が発生するおそれがあります。テレワークの活用などを含め不要不急の外出を控えてください。
② 冬用タイヤの装着やチェーンの携行
やむを得ず車を運転する場合は、冬用タイヤを装着して、チェーンの携行や早めに装着を検討してください。
③ 冬用装備の携行
スコップや砂などの冬用装備の携行も重要です。
また、使い捨てカイロ、防寒手袋、飲み物や食べ物などもあると安心です。
④ 広域迂回の実施・通行ルートの見直し
幹線道路上での大規模な車の立ち往生を回避するため、予防的通行止めを行うことがあります。その際には高速道路と直轄国道が同時に通行止めになることもあります。
車を運転する予定のある方は、広域迂回の実施、通行ルートの見直しも想定するといいでしょう。
⑤ 事業用自動車の冬用タイヤ装着・タイヤ摩耗劣化確認
⑥ 最新の気象情報、交通情報の確認
気象情報や交通情報は、短時間で変化することもあります。出かける前に最新の情報を確認しましょう。
<参考・引用>
大雪に対する国土交通省緊急発表
https://www.jma.go.jp/jma/press/2502/03a/20250203_1.pdf