またもや南岸低気圧通過のち強い冬型で警報級の大雪に!週末の東京都心の雪の見通しや来週の最強寒波を気象予報士が解説

1月に入ってから度々冬型の気圧配置がゆるみ、本州南岸を低気圧が通過しています。このコースを進む低気圧は“南岸低気圧”といわれ、東京都心など太平洋側に雪をもたらす可能性があることで知られています。
今週前半の27日(月)から28日(火)にかけては、南岸を低気圧が通過しましたが、関東では雪とはならず、千葉県など沿岸部中心に雨が降り、通過後は冬型の気圧配置が強まって西日本の平地でも積雪となりました。明日1日(土)夜から3日(月)朝にかけても、本州南岸を低気圧が進む予想となっています。そして、この低気圧の通過後は冬型の気圧配置が強まって、西日本は太平洋側でも警報級の大雪の可能性があります。
最新の南岸低気圧の動向や東京都心など関東平野部の雪の可能性、今後の雪の見通しを気象予報士が解説します。

東京都心で降るのは冷たい雨?雪が混じる時間帯は?

南岸低気圧は、コースや気温、雲の広がりによって予測が変わり、低気圧が予測コースより南側を進んだり雲の広がりが小さかったりすると、雨も雪も降らない場合があります。予測コースより北側を進んだ場合も、低気圧前面に吹く南風により気温が上がり、雪ではなく大雨となります。
一般に雪をもたらす条件は3つあるといわれています。
①関東の南の伊豆諸島の「八丈島」の南側を通る
②関東に雪雲がかかってくる
③東京を含む関東地方で北風が吹く

南岸低気圧のコース

今回の低気圧は、まだ予報のばらつきがあるものの、明後日2日(日)の夜から3日(月)の朝にかけて八丈島付近か八丈島のやや南側を通る予想となっています。
明日1日(土)は九州では朝から、中国・四国で昼過ぎから、近畿も夜は冷たい雨が降り、山沿い中心に雪が混じるでしょう。明後日2日(日)は東海や関東でも午前中から雨が降りそうです。雪は山沿い中心の予想ですが、2日(日)夜から3日(月)朝にかけての気温の下がる時間帯は、東京都心など関東平野部も雪の混じる所があるでしょう。普段雪に慣れていない地域では、少しの雪でも交通機関が麻痺したり、転倒による事故が多発したりしますので、最新の情報を確認して、時間に余裕をもって行動を心掛けてください。

今季最強の立春寒波が到来!西日本では4日以降警報級の大雪のおそれ

来週は4日(火)頃から冬型の気圧配置が強まり、今季最強の「立春寒波」が到来するでしょう。
この影響で4日(火)以降は、北日本や東・西日本日本海側で広く雪が降り、平地でも大雪や積雪となりそうです。特に5日(水)をピークに西日本太平洋側にも活発な雪雲が流れ込み、4日(火)は東・西日本日本海側を中心に九州南部でも、5日(水)は東北南部や四国も含めて警報級の大雪となるおそれがあります。
雪は6日(木)以降も続き、大雪の期間がのびたり、範囲が広がったりする可能性があり、またJPCZと呼ばれる雪の線状降水帯が北陸付近に掛かり続け、東北南部や北陸では短時間で積雪が急増し、立往生が発生するおそれがあります。
普段雪の少ない太平洋側の地域はもちろん、雪に慣れている日本海側の豪雪地帯でも大雪に最大限の備えが必要です。食材の買い出しや雪への備えは早めに済ませ、雪のピーク時は不要不急の外出は控えましょう。外出の必要がある場合は、ドライバーの方は冬用タイヤの装着やチェーンの持ち運び、早めの装着の徹底を意識してください。また、スコップや防寒具、携帯トイレなどを車の中に積み込み、いざという時に使えるようにしましょう。雪の状況によっては、広範囲で高速道路と並行する国道などが同時に通行止めとなるケースもあります。やむを得ず車で移動をされる方は、迂回路などを事前に確認しておきましょう。