関東で雪を降らせることで知られている『南岸低気圧』が、連休中日の12日(日)午後に通過する見込みです。雪となる予想のエリアを気象予報士が解説していきます!
『南岸低気圧』とは?関東で雪を降らせるメカニズム
関東地方をはじめ太平洋側は、冬型の気圧配置が続くと、冬晴れとなりますが、大雪をもたらすのは『南岸低気圧』の天気図パターンのときです。
南岸低気圧は、名前の通り太平洋側の沿岸を沿って進む低気圧のことで、寒気の流れ込み方次第では雨や雪が降ります。ただ、雨と雪の判別は予想時点では難しく、その予測の難しさから私たち気象予報士泣かせといわれるほどです。
雨と雪の判別は気温だけではなく、湿度も重要になります。同じ気温3℃でも、雨が続き湿度が90%以上になる場合は『雨』が降る一方、空気が乾燥した状態で降り始め、湿度が70%以下の場合は『雪』になります。このため、地上の気温は高くても湿度が低い場合は雪になることもあります。
2013年は成人の日に関東で大雪に!
過去には2013年の成人の日に、南岸低気圧が通過し、関東をはじめ東日本の広い範囲で雪を降らせました。関東南部を中心に雪が降り、都心では初雪を観測しました。積雪は最大で横浜が13cm、東京都心が8cmとなり、交通機関の乱れや路面の凍結による転倒事故などが発生しました。
今回の雨と雪の見通しは?明日朝は路面の凍結に注意
南岸低気圧は冬型の気圧配置がゆるむタイミングで発生しやすいため、これから春先にかけてはより一層注意が必要です。
今回、連休中日の12日(日)午後に予想される南岸低気圧の通過時は、九州北部を中心に平地も積雪となる所があるでしょう。関東は雨や雪は沿岸が中心となる見込みですが、午前中から先行してすでに雨雲が流れ込んできている状態です。気温が予想よりも低く推移し、降る時間が長いと、うっすらと積雪する可能性もあります。
また、三連休最終日で成人の日の明日13日(月・祝)は、関東から九州も冷え込みが強まり、内陸部では0度以下の冷え込みになりそうです。都心は2度の予想ながら、地表面近くはさらに低い気温となります。成人式の式典に合わせ、着付けを予定されていて、普段より早い時間に外出される方もいるかと思いますが、路面の凍結には十分ご注意ください。
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