【気象予報士が解説!】西日本中心に梅雨入り!台風2号は影響の長期化

台風2号の最新情報

台風2号は5月29日9時現在、フィリピンの東の海上を北西へ進んでいます。大型で非常に強い勢力となっていて、このあと31日(水)以降、沖縄県に接近するでしょう。
台風から離れた地域も、すでに影響が出てきています。太平洋側を中心に波がうねりを伴い始めていて、海岸付近で急激に波が高まる可能性がありますので、注意が必要です。

近畿地方で5月中の梅雨入りは10年ぶり!2011年台風2号と類似のコース!

本州付近は前線が停滞し、今日5月29日(月)に西日本を中心に梅雨入りの発表がありました。
▼九州北部地方
平年より6日早い 昨年より13日早い
▼四国地方
平年より7日早い 昨年より13日早い
▼中国地方
平年より8日早い 昨年より13日早い
▼近畿地方
平年より8日早い 昨年より16日早い
▼東海地方
平年より8日早い 昨年より16日早い
※梅雨入りは、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、この梅雨入りの発表は速報値となっているため、実際の天候経過を考慮した検討の結果、見直されることがあります。

平年より早い5月の梅雨入りとなりますが、近畿地方では2013年以来10年ぶりのことです。5月に日本付近に接近した台風のデータを見ていくと、東日本大震災のあった2011年も5月下旬に梅雨前線が停滞し、沖縄に台風が接近していました。

台風が四国沖に北上した2011年5月28日から5月29日の2日間の総降水量は、屋久島511ミリ、種子島318.5ミリ、徳島221ミリ、高知188.5ミリ、和歌山181ミリなど西日本太平洋側で雨の量が多くなりました。鹿児島県の種子島・屋久島地方を中心に5月としては記録的な日降水量でした。
2011年のように梅雨入りの発表と同時に大雨となるおそれもあるため、今年も台風+前線の大雨には警戒・注意が必要です。

沖縄で荒天&本州付近は大雨に警戒!


台風の接近に伴い沖縄・奄美では荒天が予想されています。
31日(水)に予想される波の高さは沖縄地方でうねりを伴い9メートルを超える予想で、奄美地方でも31日(水)以降大しけとなる見込みです。また、29日(月)から北東または東の風が強まり、30日(火)に予想される最大風速は沖縄地方で20メートル、最大瞬間風速は30メートルとなっています。
さらに、本州付近にも前線が停滞し、激しい雨や雷雨となって、大雨が続くおそれがあります。予想される雨の降る量はいずれも多い所で、以下の通りとなっています。
29日6時~30日6時
▼四国地方100ミリ
▼中国地方150ミリ
▼近畿地方120ミリ
▼北陸地方140ミリ
30日6時~31日6時
▼四国地方50~100ミリ
▼中国地方およそ50ミリ
▼近畿地方50~100ミリ
予想よりも雨雲が発達した場合には警報級の大雨となるおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に注意・警戒をしてください。

最新の予報は「そらくら」で確認を!早めの備えがカギ!

そらくらでは、最新の天気予報を毎日アップしています。大雨となる予想がある場合は、万が一に備え早め早めに対策を行い、崖や川の近くにお住いの方は、大雨ピークの前の足元が見える明るい内に避難行動を始めましょう。また、今シーズン初めての大雨となる場所がありますから、非常用持ち出し袋はいまのうちに確認をしましょう。食品・飲料はいつもより少し多めに買っておく、マスクなどの衛生用品の備蓄をチェックするなども有効です。荒天となる前に早めに買い出しをしておきましょう。



<参考・引用>
気象庁 「台風経路図 平成23年(2011年)」
https://www.data.jma.go.jp/yoho/typhoon/route_map/bstv2011.html