12月に入り、冬本番となりました!
冬は、西高東低の冬型の気圧配置になりやすく、日本海側は雪や雨に、太平洋側は冬晴れの日が多くなる天気の特徴があります。このため、日本海側の空は雪や雨を降らせる厚い雲が出やすくなる一方、太平洋側は空気の澄んだ冬にこそ見られる綺麗な現象があります。
これまで、春の雲、夏の雲、秋の雲をご紹介してきましたが、今回は冬に見られやすい雲の種類と特徴についてお話したいと思います!
1.冬に見られやすい雲の種類
日本海側でできる「筋状の雲」
こちらの画像は、2021年11月22日に、冬型の気圧配置が強まったときの衛星画像です。日本海側を横切るように列を作った雲が見られます。これは雄大積雲や積乱雲が集まってできたもので、上空から見ると筋のように見えることから「筋状の雲」と呼ばれています。この雲がかかると、日本海側を中心に雪や雨を降らせます。
細長い雲が並んで見える「うね雲」
うね雲は、名前のとおり、畑の畝のように長い雲が波状に連なる雲です。これは十種雲形の層積雲に分類され、比較的低い位置にできる雲です。気温の低くなる秋~冬に見られやすくなります。
凍ったような暗い雲「凍雲(いてぐも)」
凍雲は積雲に分類され、こちらも比較的低い位置に発生します。積雲と言っても夏のモクモクした白い雲とは違い、暗いグレー色で空にじっと凍ったように動かずにあることが特徴です。
雪を降らせる「雪雲」雪の前兆は?
雪雲は乱層雲に分類され、雨や雪を降らせる可能性の高い雲です。水滴や氷晶(小さな氷の粒)からできていて、氷晶が溶けきる前に降ってくると雪になります。前線や低気圧の周辺で出来やすく、厚みがあり、暗いグレーがかった色をしています。この雲の下の低い位置に、ちぎれた断片のような雲がある時は、もうすぐ雪や雨が降り始めるサインとなるため、注意が必要です。
2.冬の空で見られやすい綺麗な現象
上記のような雲のほかにも、冬はほかの季節に比べて空気中に水蒸気やちりが少なく、晴れる日の太平洋側を中心に空気が澄んで見えます。そのため綺麗な雲や現象が見られやすい季節です!
雲のすきまから光の筋!「光芒(こうぼう)」
光芒とは光の筋のことで、層積雲や積雲のすきまから見られます。空から美しく伸びる光の様子から「天使の梯子(はしご)」とも言われています。
虹色の雲?「彩雲(さいうん)」
彩雲は雲が虹色に色づいて見える雲です。空高くに雲があるとき、雲が太陽の近くを通るタイミングで見られるチャンスが大きくなります。
ピンク色のグラデーション!「ビーナスベルト」
ビーナスベルトは日の出前や日没直後に太陽とは逆側の空にピンク色の帯がかかる現象です。雲の少ない空で見られやすくなるため、太平洋側なら冬が狙い目です。
この冬は空を見上げ、これらの雲や現象を探してみてはいかがでしょうか♪
《参考》
気象庁「観測画像の紹介」
https://www.data.jma.go.jp/sat_info/himawari/obsimg/image_wint.html
《関連》
春の雲の種類と特徴!見分け方を画像付きでご紹介
https://sorakura.jp/20230414201-2/
夏の雲の種類と特徴 入道雲やわた雲、危険をもたらす雲とは?
https://sorakura.jp/20230720101-2/
秋の雲の種類と特徴!すじ雲やうろこ雲、いわし雲の違いを写真付きで紹介
https://sorakura.jp/20221005201-2/