空のきれいな季節!秋の雲の種類と特徴

 

朝晩はヒンヤリと感じることも増え、空が綺麗な季節となってきました。
秋の空は「澄んだ青空」のイメージがありますが、それには理由があります。
10月中旬~11月は大陸からの移動性高気圧に覆われやすく、大陸からの空気は乾燥しています。
空気中の水分やチリが少ないと、太陽からの青や紫の波長が届きやすく、より空が青く見えるのです。

雲にはさまざまな形がありますが、気象庁では、10種類で分類しています。
また、出現する高さによって、「上層雲」、「中層雲」、「下層雲」と分けられます。
秋晴れの日には、高度の高い「上層雲」の現れることが多く、これは空が高く見える理由の一つです。
一年を通して見られる雲もありますが、季節によって多く見られるものもあります。
今日は、その中でも秋に現れやすい雲と特徴を紹介します。

巻雲(けんうん)

高さ:約5~13km

「すじ雲」と呼ばれることが多いこの雲は、最も高い所に現れる雲の一つです。
秋を代表する雲とも言える巻雲は、晴れた日によく見られます。
ハケでさーっと描いたような繊維状の形で、一般に白色をしています。
絹のように光沢を持ち、美しく見えることもあります。

巻積雲(けんせきうん)

高さ:約5~13km

巻雲と同じく、最も高い所に現れる雲の一つです。
氷の結晶でできていて、小さい白色の塊が群れをなし、うろこ状、または、さざ波状の形をしています。
その形から「うろこ雲」や「いわし雲」と呼ばれることが多く、秋の季語にもなっています。
一見、白く青空に映えて美しく見えますが、上空の風が乱れている状態で発生するため、天気下り坂の予兆でもあります。
雲が広がってしだいに厚くなっていくと、天気が悪化することが多いため、注意が必要です。

高積雲(こうせきうん)

高さ:約2~7km

水滴からなり、小さなかたまりの雲が集まって羊の群れのように見えることから、「ひつじ雲」とよく呼ばれています。
先ほどの巻積雲より低い高さに現れ、ひとつひとつの塊が大きく見える特徴があります。
また、雲の色は白色だけなく、灰色で陰のできることもあります。
巻積雲と同じく、時間ともに雲の量が増えて空が覆われると、天気悪化のサインです。
ところで、うろこ雲やいわし雲、ひつじ雲の見分け方を知っていますか?
手をのばして、小指または人差し指を1本立てて、雲の塊が指に隠れる場合は、うろこ雲やいわし雲。
指からはみ出る場合は、ひつじ雲になります。

今の季節に空を見上げると、今回紹介した雲に出会えるチャンスが増えます。
また、空を見ることはリフレッシュになり、心を穏やかにする効果も期待できます。
秋の行楽や日常の中で、空を見上げてみてはいかが♪

また、春の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

春の雲の種類と特徴!見分け方を画像付きでご紹介

また、夏の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

夏の雲の種類と特徴 入道雲やわた雲、危険をもたらす雲とは?

 

<参考資料>
気象庁「気象観測の手引き」第11章 雲
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf