【コメ不足2024】暖冬+猛暑の影響大か?おいしい炊き方や水加減も解説

残暑が続く中「実りの秋」が迫ってきていて、新米が待ち遠しい今日この頃。
このコラムでは新米の時期や今年の収穫量について、おいしい新米の炊き方を解説していきます!

新米の時期はいつ?新米と古米の違いは?

この時期にスーパーに行くと早ければ「新米」の文字を見かけますよね!
新米は農林水産省によると「玄米が生産された当該年の12月31日までに精白され、容器包装に入れられた精米」とされていて、秋に収穫されたお米を主に指します。

新米の産地は、早ければ7月に沖縄と九州の一部で、8月は九州や中国・四国、9月は近畿や東海、北陸、関東、10月は東北や北海道へ北上していきます。
このため10月頃にかけて全国各地で新米の季節を迎えるといって良いでしょう!
「新米」はお米が収穫された年の12月31日までに包装された米を指すのに対し、年をまたぐと「古米(こまい)」に分類されます。「新米」と「古米」の違いは水分量にあります。新米は水分量が多いため、もちもちと柔らかい食感になりますが、古米は水分量が少ないため粘り気が少なくなります。新米が手に入ると古いお米を食べなくなりがちですが、水分量の少なさを生かしパラパラしたチャーハンやカレーライスなどで食べると良いでしょう!

気温がお米の品質の鍵に!水不足となる原因は?

農林水産省のまとめによると、昨年2023年は「米どころ」新潟県でお米の収穫量の比率を表す「作況指数」がやや不良という結果になりました。
お米の品質は、気温に左右されます。以前は「ヤマセ」と呼ばれる太平洋側の冷涼な風に負けない品種改良が進められていましたが、気温27℃以上の環境にさらされると、胴割れ(どうわれ)という軽微な割れが発生することが研究によってわかってきました。
また、暖冬や猛暑による水不足もお米の収穫量に影響を与えます。田植え時期は、多雪地から流れ込む雪どけ水によって稲作を行っている地域も多く、暖冬による雪不足の影響が大きくなります。さらに、8月中旬から9月にかけては、稲の穂が出始める時期で水を最も必要とします。昨年8月のアメダス新潟の月間降水量は2mmにとどまり、1881年から140年以上続く観測史上最も少ない記録を更新しました(2024年8月現在)。記録的な少雨によって、貯水率が0%になったダムもあり、お米の品質に大打撃となりました。
今年2024年8月にはスーパーマーケットのお米が品薄になる事態も発生しています。8月8日に発生した宮崎県で震度6弱を観測した地震による南海トラフ地震臨時情報を受けパックごはんの販売が伸びたことも在庫が少なくなっていることが要因と言われています。

今年のお米の収穫量の見通しは?


今年の夏はどうだったのでしょうか?
太平洋高気圧に覆われ、気温は平年より高い状態が続きました。新潟のアメダスで着目すると梅雨時期は大雨に見舞われたものの、昨年ほどの雨不足にはなりませんでした。ただ、続く猛暑によって品質に影響の出る可能性もあります。

最近では暑さに強い品種改良が進む!好みに合わせた品種とは?


地球温暖化による気温上昇が指摘される昨今ですが、暑さに強いお米の品種改良も進められています。コシヒカリより病気や高温に強く、収穫量が多い「にじのきらめき」は、コシヒカリ同等のおいしいお米とされています。
また、新米時期に合わせてご自身が好きなお米の品種を探してみるのも良いかもしれませんね。「あきたこまち」や北海道の「ゆめぴりか」はもちもち甘め、新潟のブランド「新之助」は一粒が大きく、「ササニシキ」はさっぱりとした味わいが特徴です。

炊飯器でおいしい新米の炊き方は?水加減は多め?それとも少なめ?

新米を食べるのであれば、おいしく炊ける方法を知りたいですよね!ポイントをまとめてみました。

① やさしく洗い、1回目の水は素早く捨てましょう
② 浸水時間は通常30分程度がおすすめ!短くてもOKです
Point 水はいつもより少なめにしてみてください
③ 通常より短い時間で炊飯しましょう
Point 新米モードや早炊きモードの使ってみてください
④ 蒸らし時間もいつもより短め、やさしくほぐしましょう!

そらくらでは新米と同じ時期に旬を迎える秋刀魚の焼き方や、秋ナスの揚げびたしやはさみ揚げのレシピをご紹介しています!新米を食べるタイミングでぜひ作ってみてくださいね♪

<参考>
・気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php

・農林水産省「新米の表示の定義を教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1710/01.html

・農林水産省「令和5年度水陸稲の収穫量」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kome/suiriku/r5/syukaku/

・農林水産省「田んぼの水管理について教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0005/01.html

・松本健一・高木三水珠(2017)コメ生産に対する気候変動の影響と適応策、環境科学会誌30(6)p34-356
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sesj/30/6/30_300602/_pdf/-char/ja

・農林水産技術会議「暑さに強く、たくさんとれる「にじのきらめき」」
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/project/seika/2020/r2_seikashu_01.html