「大暑」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「大暑」の意味

大暑(たいしょ)とは、大いに暑いという字の通り、一年で最も暑くなる頃という意味で、これから8月中旬頃にかけて暑さのピークとなります。
暦の上では夏土用(7月20日頃~8月7日頃)の約18日間を暑中といい、暑中見舞いを送る時期です。また、夏の土用には鰻などの“う”のつく食べ物を食べる習慣があり、夏バテ防止にぴったりです。

大暑の七十二候

・ 初候:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) 7月22日~7月26日頃

桐始結花

桐の花が実を結び始める頃という意味です。桐は春から初夏にかけて薄紫色の花を咲かせ、花が終わるとクルミのような実をつけます。
桐は神聖な木と考えられ、花言葉は“高尚”です。中国では“桐に鳳凰(ほうおう)”といい、鳳凰が止まる木といわれています。

・ 次候:土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 7月27日〜7月31日頃

土潤溽暑

“土潤”は雨で大地が潤っている様子を、“溽暑”は太陽の強い日差しによって水分が蒸発して熱気が蒸し暑い様子を表しています。“溽暑(じょくしょ)”は晩夏の季語としても使われ、蒸し暑さを表します。

・ 末候:大雨時行(たいうときどきふる) 8月1日~8月6日頃

大雨時行

暦の上の夏の最後の七十二候で、夕立や台風によって大雨が降る頃です。近年ではゲリラ豪雨が発生してニュースとなることもあり、急な雨に注意が必要です。ゲリラ豪雨は夏に発生しやすく、短時間のうちに、川の増水、アンダーパスや地下街など低い土地の浸水といった甚大な被害をもたらします。
夕立やスコールと混同してしまう方もいますが、夕立やスコールは正式な気象用語です。夕立はゲリラ豪雨と異なり、予測がある程度可能です。また、スコールは突発的な風の強まりのことで、雨が降るとは限りません。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、7月下旬~8月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 大暑(たいしょ)の候
一年で最も暑くなる頃となりましたね~という意味です。
二十四節気の大暑から次の節気の立秋(りっしゅう)の前日まで使うことができます。

② 猛暑(もうしょ)の候
猛烈な暑さの時期ですね~という意味です。
7月上旬から8月上旬頃にかけてよく使われる挨拶です。

③ 酷暑(こくしょ)の候
ひどく暑い時期になりましたね~という意味です。
特に暑さの厳しくなる7月下旬から8月上旬頃に使うとよいでしょう。

④ 炎暑(えんしょ)の候
燃えるような暑さの時期ですね~という意味です。
特に暑さの厳しくなる7月下旬から8月上旬頃に使うとよいでしょう。

⑤ 晩夏(ばんか)の候
暦の上では夏が終わる頃となりましたね~という意味です。
8月上旬の挨拶で、暦の上で秋が始まる二十四節気の立秋まで使うことのできる挨拶です。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。