夏休みの自由研究は、自分に身近な物事からテーマを選(えら)ぶことで楽しく学ぶことができます。
今回は、「天気の記録(きろく)の調べ方」をテーマにどのように探究(たんきゅう)をすすめていくかをお天気のプロの気象予報士(きしょうよほうし)が説明(せつめい)します。
天気の記録(きろく)をとる理由は?どんなことに使われている?
気温や雨の記録(きろく)はいつごろから残(のこ)っていると思いますか?日本で最初(さいしょ)に観測(かんそく)が始まった東京都心は150年近いデータがあるんです!災害(さいがい)を防(ふせ)いだり農業に使われたり、様々(さまざま)なことに利用するために気象(きしょう)データの観測(かんそく)が始まりました。気温や雨の量を観測(かんそく)しているデータは様々(さまざま)なところで使われていますが、私たち天気のプロである気象予報士(きしょうよほうし)は、天気予報(よほう)を伝(つた)えるときに天気の観測(かんそく)データの記録(きろく)を活用しています。例(たと)えば予想される最高(さいこう)気温が、その年になった1月1日以降(いこう)で最(もっと)も高ければ、「今年一番の暑さ」と表して伝えることで具体的(ぐたいてき)な暑さの対策(たいさく)を促(うなが)します。また、大雨の場合、予想されている雨量が過去(かこ)の記録(きろく)と比(くら)べて、どれぐらいの大雨になり、どんな災害(さいがい)につながる可能性(かのうせい)があるかもふまえて情報(じょうほう)を伝えています。そして、情報(じょうほう)を受け取る人たちが、情報(じょうほう)を正しく理解(りかい)し、行動につなげられるように、「1か月分の雨が1日で降るような雨」や、「観測史上(かんそくしじょう)一番の大雨」などと伝えることがあります。
自由研究の進め方
自由研究は進め方に迷(まよ)う子供たちやパパ・ママも多いと思いますが、大まかにテーマを決め、記録(きろく)をとって、まとめる手順(てじゅん)で進めるとうまくいきます!くわしくはこのあと解説(かいせつ)していきます。
テーマを決める
自由研究を進めるには、はじめに自分が興味(きょうみ)や疑問(ぎもん)をもった身近な情報(じょうほう)からテーマを決めましょう。
例えば、「晴れの日と雨の日の違い」「1週間のニュースの天気予報(よほう)は、実際(じっさい)の天気と比べてどれぐらい当たるか?」など、楽しく続(つづ)けられそうなものをテーマとするといいでしょう。「晴れの日と雨の日のちがい」を例に説明(せつめい)していきます。
仮説をたてる
実験(じっけん)をする前に、自分の持っている知識(ちしき)をしぼって、実験結果(じっけんけっか)がどうなるかを考えてみましょう。
そして、実験結果(じっけんけっか)と自分がたてた仮説(かせつ)を比較(ひかく)することで、発見や反省点(はんせいてん)がはっきりします。
必要な道具を用意する
実験(じっけん)に必要な道具を用意しましょう。
・ノート:毎日の天気を記録(きろく)する。
・温度計:気温を測(はか)る。
・湿度計(しつどけい):湿度(しつど)は高いと空気はムシッとして、低いとカラッとします。湿度計(しつどけい)があれば測(はか)りましょう。
・目盛(めも)りの付いたバケツ:降水量(こうすいりょう)を測(はか)る。
※ペットボトルの雨量計の作り方はこちら
・スマートフォンのカメラなど:晴れ、くもり、雨などの天気を画像として記録(きろく)する。
・図鑑(ずかん)やインターネット:天気について調べる。
データの集め方
なるべく同じ条件で記録(きろく)をとるために、日にちを決めて同じ時間に観測(かんそく)をするようにしましょう。
また、決めた時間以外に記録(きろく)をとったり、記録(きろく)をとれなかったりした場合はそのことも書きましょう。
例 毎朝7時に記録(きろく)する
記録(きろく)の方法
ノートに日付、時間、天気の種類(しゅるい)、気温、湿度(しつど)、降水量(こうすいりょう)、雲の様子を書きます。
データのまとめ方
1週間や1か月記録(きろく)をしたら、データをまとめます。
データはグラフにすると天気の変化や傾向(けいこう)がわかりやすくなります。
・折れ線グラフ:気温や湿度(しつど)をまとめるときにおすすめです。
・棒グラフ:降水量(こうすいりょう)をかくと傾向(けいこう)がわかりやすいです。
考察(こうさつ)
たとえば、「晴れの日は気温が30度を超(こ)えることが多かった」など、自分なりの結論(けつろん)を出しましょう。また、実生活に生かせそうなことも書いてみましょう。
発表の準備(じゅんび)
実験の結果を発表するために、まとめたデータや考察(こうさつ)を画用紙やレポート用紙などにまとめましょう。
応用編(おうようへん) ホームページを使った天気の記録(きろく)の調べ方
気象庁(きしょうちょう)のホームページを使うと、全国各地の天気の記録(きろく)を調べることができます。
日本各地の記録(きろく)の調べ方について紹介(しょうかい)します。
・https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.phpを検索(けんさく)します。
①各地の気温、降水量(こうすいりょう)、風など>地点の選択(せんたく)>“都道府県(とどうふけん)地方を選択(せんたく)”をクリック。
>調べたい都道府県(とどうふけん)にチェック。
② 地点選択をクリック調べる地域をクリック(例えば東京)。
③ 調べたい地域に近い地名をクリック。調べたい地域のそばに観測(かんそく)地点がない場合は、観測(かんそく)している要素(ようそ)が多い地名を選(えら)んでください。
④ ”地点ごとの観測史上(かんそくしじょう)1~10位の値(あたい)”をクリック。
⑤ 特定(とくてい)の地域(ちいき)の天気の要素(ようそ)の1位から10位までが見られます。
まとめ
自分の住んでいる場所の天気の記録(きろく)を調べることで、天気の変化や自然科学に親しみを感じられるようになります。
日々の天気予報やお天気コラムはそらくらのホームページからチェックしてみてください!
また、こちらの自由研究のコラムもぜひチェックしてくださいね。
<参考>
気象庁 過去の気象データ観測
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
気象庁 気象観測について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku/weather_obs.html
気象庁 気象観測・統計データについて
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq17.html