「小満」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「小満」の意味

小満(しょうまん)は、草木が茂って天地に満ち始める頃という意味です。ちょうどこの時期は、秋にまいた麦などの穂がつく頃にあたります。 昔は、農作物の収穫が生きるために一番重要な問題でした。そのため、麦などに穂がつくと「今のところは順調だ、よかった」と満足したことから小満と言う名前が付いたと言われています。
小満から次の節気の芒種(ぼうしゅ)の頃は、沖縄の梅雨のピークの頃のため、“小満芒種(スーマンボースー)”といい、大雨災害に注意が必要な時期です。

小満の七十二候

・ 初候:蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 5月20日~5月25日頃

蚕(カイコ)が桑の葉をたくさん食べて、成長する頃という意味です。
カイコの寿命は2か月ほどと短く、卵から幼虫になると桑の葉を食べては脱皮する過程を繰り返します。脱皮は4回あり、脱皮前には、半日ほど食べず・動かずの時期があり、眠っているようにみえることから“眠”といいます。脱皮を終えたカイコは繭を作り、その後はさなぎ、そして成虫へと成長していきます。

・ 次候:紅花栄(べにばなさかう) 5月26日〜5月30日頃

紅花(ベニバナ)が咲き誇る頃という意味です。ベニバナは、キク科ベニバナ属の一年草または越年草で、食用油や染料の原料にもなります。実際に花を咲かせるのは6月下旬から7月中旬頃ですので、もう少し先です。末摘花(すえつむはな)とも言われ、「源氏物語」に登場する鼻の紅い姫のあだ名ともなっています。“愛する力”や“包容力”といった花言葉があります。

・ 末候:麦秋至(むぎのときいたる) 5月31日~6月4日頃

「麦秋(ばくしゅう)」は“秋”という字が入りますが、5月下旬から6月初旬を表す季語で、「麦の秋」とも言われます。日本一の小麦の産地である北海道の収穫時期は今ではありませんが、福岡県や佐賀県、愛知県など東・西日本の産地では、麦畑が黄金色に輝き、収穫を迎える頃です。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、5月下旬~6月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 小満(しょうまん)の候
万物が成長し、草木が茂って満ち始める頃になりましたね~という意味です。
二十四節気の小満から次の節気の芒種(ぼうしゅ)の前日まで使うことができます。

② 軽暑(けいしょ)の候
少しずつ暑さを感じるようになりましたね~という意味です。
5月の中旬から下旬の頃によく使われる挨拶です。

③ 麦秋(ばくしゅう)の候
麦の収穫を迎える頃となりましたね~という意味です。
麦秋は、秋の季語と誤解しがちですが、初夏の時期に使われる言葉で、二十四節気の小満から次の節気の芒種(ぼうしゅ)の前日まで使うことができます。特に、七十二候の“麦秋至”にあたる5月下旬から6月初旬に使うのがおすすめです。

④ 向暑(こうしょ)の候
夏らしくなってきましたね~という意味です。
5月下旬頃から6月にかけて使われる挨拶です。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。