「立夏」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「立夏」の意味

「立」は新しい季節の始まりを表し、立春・立夏・立秋・立冬をあわせて「四立(しりゅう)」といいます。立夏(りっか)とは、夏の始まりで、立秋の前日までが、暦の上での夏となります。
夏の始まりを表す言葉には、”初夏(しょか)”という表現もあります。初夏は、旧暦で夏の始まりを指す言葉です。

立夏の七十二候

・ 初候:蛙始鳴(かわずはじめてなく) 5月5日~5月9日頃

“かわず”とはカエルの古称で、カエルが鳴き始める頃という意味です。蛙(かえる・かはづ)は一般に春の季語ですが、雨蛙(あまがえる)は夏の季語です。カエルは4~7月が繁殖時期で、ピークは梅雨時期の5~6月頃になります。

・ 次候:蚯蚓出(みみずいずる) 5月10日〜5月14日頃

“蚯蚓”と書いて、“ミミズ”と読みます。冬眠から目覚めたミミズは、夏になると活発に活動するようになります。目がないことから、“目見えず”という名称なり、さらに“メメズ”、そして“ミミズ”になったと言われます。
ミミズは土壌改良に役立ち、ミミズがいなくなると自然環境に影響を及ぼすともいわれます。進化論で有名なダーウィンは、晩年にミミズの研究を行っています。

・ 末候:竹笋生(たけのこしょうず) 5月15日~5月19日頃

日本では、タケノコを“竹の子”や“筍”と書きますが、中国では “竹笋”や“笋”という字を使います。
竹の地下茎から出てくる若い芽がタケノコで、春を代表する食材として人気があります。一般には2月下旬から5月下旬までが旬の時期で、成長のスピードが非常に早いため、生のたけのこを楽しむことができる期間は限られます。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、5月上旬~5月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 立夏(りっか)の候
暦の上では夏となりましたね~という意味です。
二十四節気の立夏から次の節気の小満(しょうまん)の前日まで使うことができます。

② 初夏(しょか)の候
夏の気配を感じ始める頃になりましたね~という意味です。
初夏は概ね二十四節気の立夏と小満の期間のことで、立夏から6月の節気の芒種(ぼうしゅ)の前日まで使うことができます。

③ 薄暑(はくしょ)の候
初夏となり、少し暑さを感じるようになりましたね~という意味です。
初夏にあたる、二十四節気の立夏から6月の節気の芒種の前日まで使うことができます。

④ 新緑(しんりょく)の候
新緑の時期になりましたね~という意味です。
5月全般に使える便利な挨拶です。

⑤ 薫風(くんぷう)の候
風薫る季節となりましたね~という意味です。
“風薫る5月”という言葉があるように5月全般に使える挨拶です。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。