「立冬」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「立冬」の意味

立冬(りっとう)は、「立」は新しい季節の始まりを表し、立春・立夏・立秋・立冬をあわせて「四立(しりゅう)」といいます。まだ紅葉シーズンの地域も多く、本格的な冬の到来はまだ先ですが、立冬は冬の始まりで、立春の前日までが暦の上での冬です。

立冬の七十二候

・ 初候:山茶始開(つばきはじめてひらく) 11月7日~11月11日頃

山茶は”つばき”と読みますが、皆さんがイメージする椿の花ではなく、同じツバキ科のサザンカ(山茶花)のことです。椿とサザンカは見た目が似ていますが、椿は12~4月頃、サザンカは10~12月頃に開花の時期を迎えます。

・ 次候:地始凍(ちはじめてこおる) 11月12日〜11月16日頃

大地が凍りはじめる頃という意味です。日中はさわやかな秋晴れの時期ですが、朝晩は冷え込みが厳しくなり、霜のおりることがあります。氷点下になると、土の中の水分が凍り、“霜柱(しもばしら)”ができることもあります。似たような言葉に“霜(しも)”がありますが、露は空気中の水蒸気が凝結してできた水滴のため、まったく異なる現象です。

・ 末候:金盞香(きんせんかさく) 11月17日~11月21日頃

キク科のキンセンカではなく、スイセン(水仙)のことです。昔の中国では、花の中央にある黄色い部分を黄金の杯(金盞)、白い花弁を白銀の台に例えて、スイセンのことを“金盞銀台(きんさんぎんだい)”呼んでいたそうです。スイセンは品種にもよりますが11~3月頃に美しい花を咲かせます。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、11月上旬~11月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 立冬(りっとう)の候
暦の上では冬を迎えましたね~という意味です。
二十四節気の立冬から次の節気の小雪(しょうせつ)の前日まで使うことができます。

② 菊花(きっか)の候
菊の花の美しい頃になりましたね~という意味です。
10月下旬~11月上旬頃にかけて使うことのできる挨拶です。

③ 残菊(ざんきく・ざんぎく)の候
菊の花も見納めとなりましたね~という意味です。
菊の花の盛りを終えた11月中旬~下旬頃にかけて使うことができます。

④ 初霜(はつしも)の候
初霜のおりる頃になりましたね~という意味です。
地域によって初霜のおりる時期は異なりますが、一般に11月中旬~下旬頃にかけて使える挨拶です。

⑤ 冷雨(れいう)の候
晩秋の冷たい雨が降る頃になりましたね~という意味です。
11月中旬~下旬頃にかけて使うことができます。

 

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。