空を見上げるといろんな雲が見られます。その中でも、あまり見ることのできない珍しい雲も存在します。この記事では、珍しい雲を3つ紹介していきます!
虹色に輝く彩雲
晴れた日の空に、虹色に輝く雲がみられることがあります。
このような雲を「彩雲(さいうん)」と言います。
彩雲は、太陽の光が雲の中に含まれる水滴を回り込むことで発生します。水滴を回り込む際に、赤い光は波長すなわち「波の長さ」が長く、青い光に比べて、より大きな角度で進みます。太陽の光が水滴を回ることによって、色ごとの光の波長の違いにより、色が分かれて見え、雲が虹色に見えるのです。
発生しやすい条件としては、太陽の近くに「巻雲」や「巻層雲」、「高積雲」といった、比較的薄い雲に現れる可能性があります。雲の見分け方は、こちらのコラムで確認してみてください。もし、彩雲を探す場合は太陽を直接見ないように気を付けましょう。
山があるところに現れる笠雲とつるし雲
山の山頂に雲が覆われ、まるで山が笠を被っているような光景が見られることがあります。
このような雲を「笠雲(かさぐも)」と言います。笠雲は、湿った空気が山にぶつかって上昇し、高度が増すにつれて空気が冷やされ、山頂付近で雲が発生します。
また、山の近くで渦を巻いたような雲が発生することもあります。
これは「つるし雲」と呼ばれ、強い気流が山にぶつかって山岳波という波が発生した時に見られる雲です。
笠雲やつるし雲が発生している時は、空気が湿っており、低気圧や前線が近づいてきている可能性が高いです。つまり、笠雲やつるし雲を見かけた際は、天気が下り坂のサインなので、天気予報を確認して雨が降るか確認してみましょう。
空に波打つケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲
雲が波打って、独特な形をするときがあります。
この雲を「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」と言います。
このような形になるのは、雲の上の方と下の方で風の強さが異なることが原因です。上の方と下の方で風の強さに差があると、気流が乱れて雲が変形し、波状になります。
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲ですが、上空に強い風が吹いていることから、天気が下り坂になることがあるそうです。
以上、珍しい雲を3つ紹介しました。あまり見ることができないため、もし見かけたら是非写真を撮ってみましょう!
春や夏、秋の雲の特徴を紹介したコラムもありますので、こちらも確認してみて下さいね。
春の雲の特徴
夏の雲の特徴
秋の雲の特徴
参考
気象庁 雲・大気現象・大気光象について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html
浅井冨雄・内田英治・河村武:気象の事典 平凡社版 p39-40 1999