【気象予報士が解説!】この夏はとても暑かった!残暑の終わりはいつ?

この夏の暑さの原因は?メカニズムを解説

原因は背の高い高気圧に覆われたことです。

7月後半以降、一般的に夏の高気圧と呼ばれる「太平洋高気圧」のさらに上空に、中国大陸から「チベット高気圧」が覆う状態が続き、記録的な暑さになりました。
また、福島県で今年全国初の40度を観測した8月前半は台風6号と台風7号の暖かく湿った空気が流れ込みました。さらに、日本海側では山越えの南風「フェーン現象」が発生し、記録的な暑さとなりました。

やっぱり暑かった!この夏は記録的な高温に!


6月1日から昨日8月29日までの3か月間の平均気温は、北日本や関東、北陸から山陰で広く平年を大きく上回り、札幌では平年差+3.1℃となり、これまでで最も暑かった2010年を上回り記録的な高温となる見込みです。
また、東京都心では最高気温が35度以上の年間日数が、1875年以降のおよそ150年の観測の中で初めて20日を超えるなど、これまでに経験したことのない長期間の暑さが続いています

残暑の終わりはいつ?見通し立たず


この先1週間の予想最高気温を見てみると、全国的に平年を上回る状態が続くでしょう。特に東京都心や大阪など都市部でも35度前後まで上がり、晴れる日は猛烈な残暑となりそうです。
最新の週間天気予報はこちらからご確認ください。
https://sorakura.jp/20230830101-2/
また、8月28日(月)には、気象庁から高温に関する異常天候情報も発表があり、少なくとも9月上旬にかけ気温が「かなり高い」状態が続くでしょう。さらに、先週発表された3か月予報でも、9月と10月は東・西日本で気温が平年より高くなる確率が50%となっていて、11月頃にかけて、気温の下がり方が鈍く、季節の進みはゆっくりとなる予想が出ています。

熱中症や夏バテにも引き続き注意!体調の整え方とは?

暑さ続きで、身体には知らず知らずのうちに疲れが溜まってきています。また、新学期が始まる学校生活でも熱中症や夏バテで体調を崩しがちな時期となっています。体調を整える方法を3つご紹介します。
①早寝早起きを意識する
夏休み中はついつい夜更かしをしがちですが、お子さまだけではなく、ご家族も含め、早く寝ること・早く起きることを意識しましょう。
寝る直前までスマートフォンやパソコンを見ているとブルーライトによって寝付きにくくなるといわれています。就寝30分前は触らないよう意識しましょう。また、起きたあとはカーテンを開けて、くもりや雨の日でも日の光を浴びると体内時計がリセットされます。
②ぬるめの湯船に浸かる
暑い時期はシャワーだけで済ませがちですが、湯船にゆっくりと浸かることで、発汗の練習になります。また、38度程度のぬるま湯に浸かるとリラックス効果も期待できます。ぜひ試してみましょう。
③食事はバランスよく!
食欲が落ちるこの時期は、そうめんなどバランスが偏りがちです。豚しゃぶやトマト、きゅうりなどの夏野菜と併せることで、疲労回復効果なども期待できます。残暑が続く予想で、まだまだ先にはなりますが、秋冬に向けて風邪などで体調を崩しにくい身体づくりを意識してみましょう。

<参考・引用>
気象庁「令和5年梅雨期の大雨事例と7月後半以降の顕著な高温の特徴と要因について
~異常気象分析検討会の分析結果の概要~」
https://www.jma.go.jp/jma/press/2308/28a/kentoukai20230828.html