6月の満月は「ストロベリームーン(苺月)」と呼ばれます。恋を叶えてくれる月とも言われ、好きな人や恋人と見たいという方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、ストロベリームーンの意味や観察できる時間・方角、月が赤く見える理由を説明します。
ストロベリームーンの意味や由来は?
「ストロベリームーン」とは、アメリカの先住民族ネイティブアメリカンによる6月の満月の呼び名です。北米では6月にいちごの収穫が行われることが由来とされます。日本では、いちごは冬から春の果物というイメージがありますが、これはビニールハウスで栽培されているためです。本来の旬は春から初夏にかけてで、苺(いちご)は初夏の季語です。
また、ヨーロッパでは、薔薇の咲く時期であることから「ローズムーン」と呼ばれたり、夏の最初の満月であることから「ホットムーン」と呼んだりする地域もあるようです。
この時期の月は赤く見えることも?
月は赤やオレンジ色に見えることがあり、いつもとは違う姿に少し不気味さを感じることもあります。月の色がこのように見えるのは、太陽の光が大気を通過するときに散乱することと同じ要因です。
太陽の光は、虹の色で分かるように様々な色が混ざっています。そして、青い光は波長が短いため散乱しやすく、赤い光は波長が長いため散乱されにくい性質があります。例えば、夕日が赤く見えるのは、夕方は太陽の高度が低く、光が斜めに差し込んで大気を通る経路が長くなるため、青い光はほとんど失われて波長の長い赤い光が残るためです。
この夕日と同じ現象が月でも起こります。月の出や月の入りのとき、夏至が近くなるときなど、地平線近くの高度の低い位置に月があると、月から届く光のうち、青い光は散乱して赤い光が残り、赤やオレンジ色に見えやすくなります。
ストロベリームーンを観察できる時間や方角は?
2023年のストロベリームーンは、今日6月4日(日)です。ちょうど満月になるのは昼の12時42分頃で、観測は今夜がおすすめです!各地の月の出る時間は以下の通りです。
今夜の月は、月の出てくる直後の19時頃は東の空に見ることができ、午前0時頃に天の頂上を通って、明け方の午前4時頃に西の空に沈んでいきます。6月に入り、沖縄から東海は梅雨シーズン真っただ中ですが、晴れていれば一晩中、建物などのない開けた場所で月を眺めることができるでしょう。
各地の天気予報は、こちらからご確認ください。
<参考・引用>
・国立天文台「各地のこよみ」
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/