【天気と競馬コラム】気象予報士の第90回日本ダービー予想

明日28日(日)は、東京競馬場で第90回東京優駿(以下、日本ダービー)が行われます。この記事では、4月のコラムで取り上げた第83回桜花賞の予想に引き続き、気象予報士の目線から日本ダービーを予想していきます。前回のコラムでは、芝コースの「クッション値」と出走馬の「ファミリーナンバー」から馬場適性を分析しました。今回の記事でも同様の流れで予想しています。クッション値やファミリーナンバーについては前回のコラムで詳しく解説していますので、気になる方はぜひお読みください。

日本ダービーの走破タイムの特徴

まずは日本ダービーの走破タイムの特徴をみていきましょう。日本ダービーは、過去30年に同じコースで行われた3歳戦220回のレースの中でも、
・速い走破タイムが出やすい
・スタート後すぐに速いペースになりやすい
・最後の直線で上り上位3位以内の末脚を使える馬が勝ちやすい
という特徴があります。日本ダービーで平均以下の遅い走破タイムとなったのは2003年ネオユニヴァース、2009年のロジユニヴァース、2011年のオルフェーヴルの3頭だけで、いずれも重や不良馬場で競馬が行われた時でした。明日28日(日)のように良馬場が予想される状況では、上記3つの特徴すべてをこなせる馬が、より勝ちやすいと言えます。

参考とするレース

次に、クッション値が発表されている2020年9月以降に、東京競馬場で行われた同コースの3歳戦をみてみます。横軸にクッション値、縦軸に1着馬の走破タイムを取った図1を概観するとクッション値が高いほど走破タイムが速くなる傾向がありました。この図のタイム上位2つとも日本ダービーのレースとなっていてます。日本ダービーとして参考になるレースは、点線で示した回帰式よりも上にある、同じクッション値の中でも好タイムを記録したレースと考えられます。


図1

クッション値とファミリーナンバーの関係

これらの参考レースにおける、第90回日本ダービー出走各馬と同じファミリーナンバーを持つ馬たちの競走成績が図2です。縦軸はレース展開の違いを踏まえてタイム差をとっています。この中で特徴的な傾向を持つファミリーナンバーを抜き出したのが図3です。F7は8.9~9.7の広い範囲のクッション値でレースが行われ、クッション値が高いほど好走する傾向がみられました。一方、F14やF22はクッション値が低いほど好走するようです。F1-w(F1の分岐系統)とB3は出走したレースのクッション値がどれも同じぐらいですが、クッション値が高くなるほど好走傾向がみえます。


図2

図3

気象予報士の第90回日本ダービー予想

以上を踏まえて、良馬場で高いクッション値となることが予想される第90回の日本ダービー本命馬は、
◎8番メタルスピード(ファミリーナンバーF7-a)
皐月賞の時は重馬場の適性があると考え買い目に入れていましたが、ファミリーナンバーとしては高いクッション値ほど適性があると考えられ、皐月賞よりもさらに好走することが期待されます。鞍上も津村騎手が騎乗し続けることになり、相性も問題ないはずです。

〇2番スキルヴィング(ファミリーナンバーB3)
ゆりかもめ賞、青葉賞と東京芝2400mのレースを連勝し、日本ダービーのコース適性は出走馬の中でもピカイチです。ファミリーナンバーからみるとクッション値が高くなることも歓迎となっています。ただ、父のキタサンブラックがダービーで大敗していることから、ここでは評価を1つ下げました。

▲17番ドゥラエレーデ(ファミリーナンバーF1-w)
ホープフルステークスの勝ち馬で、14番人気ながら大穴を空けました。前走はUAEダービー2着で海外のダートレースから日本ダービー挑戦という奇抜なローテになっています。ただ、ファミリーナンバーとしてはクッション値が高いほどタイム差を縮めており、今回も油断ならない1頭です。

☆5番ソールオリエンス(ファミリーナンバーF1-k)
重馬場の皐月賞で1頭だけ別次元の末脚を光らせ1冠を制しました。これまで無敗を貫いていますが、ファミリーナンバーからみると高いクッション値で傾向が掴めませんでした。また、キタサンブラック産駒という点も明日の日本ダービーでは積極的に買える要素ではなくこのような評価としました。

ほか△7番フリームファクシ、11番ハーツコンチェルトを買い目に入れて、8番メタルスピードを軸に相手5頭の流しで計10点の3連複を考えています。

※この記事の予想は的中を保証するものではありません。参考にして頂けると幸いです。