春の雲の種類と特徴!見分け方を画像付きでご紹介

広い範囲で桜の見頃を終え、いよいよ春本番の陽気となってきました。
ただ、春は天気の移り変わりが激しい季節です。
冬の冷たい空気と春の暖かい空気がせめぎ合い、冬の空から春の空へと移行していくこの時期は、様々な種類の雲を見ることができます。
今日は、春の空に見られやすい雲の種類や特徴をご紹介します。

高層雲・・・通称「おぼろぐも」 出現高度:2〜7km

春によく見られる代表的な雲は、高層雲です。
灰色で水平状に広がり、空の広い範囲を覆います。
直接雨を降らせることはありませんが、雨を降らせる乱層雲に繋がると、雨の降ることが多くなります。

「花曇り」という言葉を耳にしたことはありませんか?
春の代表的な天気で、桜が咲く頃に空が一面に薄く曇っている状態を表します。
この時によく見られる雲が高層雲です。

また、この雲の薄い部分に太陽や月にかかると、太陽や月の存在がすりガラスを通して見るようにぼんやりとわかります。このことから、「おぼろ雲」と呼ばれることもあります。

積雲・・・通称「わたぐも」 出現高度:〜2km

2つ目の春を代表する雲は、積雲です。
先ほどの「花曇り」とは反対に、青空の中にぽつぽつと浮かぶ、わたあめのような雲です。

冬から春へと移り変わる頃、晴天ののどかな雰囲気を「春うらら」と呼ばれていて、過ごしやすい陽気を表します。

巻雲・・・通称「すじぐも」 出現高度:5〜13km

ほかにも、晴れる日の高度の高いところに出やすいのが、「巻雲」です。
「すじぐも」とも呼ばれ、春のほかに秋にも見られやすい雲です。
ほうきでサーッと掃いたような繊維状の形で、一般に白色をしています。
絹のような光沢を持っていることもあります。

巻層雲・・・通称「うすぐも」 出現高度5〜13km

薄くて白っぽい、水平方向に広がる雲です。
陰影がなく、空の広い範囲を覆うことが多いのが特徴です。

〜太陽の周りに虹? ハロ現象って?〜
太陽の周りに、丸く虹のようなものを見たことがありますか?
巻層雲は氷の粒でできていて、氷の粒による光の屈折によって発生する現象です。
日暈(ひがさ)ハロ現象と呼ばれ、「見ることができると幸運」と言われることもあるそうです。
ただ、巻層雲が広がってしだいに厚くなってくると、天気が下り坂へ向かうサインでもあるため、注意が必要です。

春霞(はるかすみ)とは?

春は、冬の澄んだ空に比べて見通しが悪く、遠くの景色が白っぽく霞むように見えることはありませんか?
この正体は一体何なのでしょうか?

これには明確な定義がありません。
水蒸気が小さな水滴になって浮遊する「霧」「もや」とは違い、春に飛びやすい黄砂やチリ・埃、水蒸気などの様々な粒子が上昇気流に乗って空中に舞いやすくなることが原因です。

また、霞(かすみ)は日中、朧(おぼろ)は夜間に現れるものを指します。

どちらも春の季語になります。

いかがでしたか?
くもりの日・晴れの日などそれぞれの天気によっても見られやすい雲があります。
外に出る際は少し空を見上げてみて、春の雲の特徴を楽しんでみてはいかがでしょう♪

また、夏の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

夏の雲の種類と特徴 入道雲やわた雲、危険をもたらす雲とは?

秋の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

空のきれいな季節!秋の雲の種類と特徴

〈参考資料〉
気象庁「気象観測の手引き」第11章 雲
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf