天気の特徴(東北編) 元転勤族が語る関東から見た東北の特徴

この時期は、就職や転勤、進学等によりお引っ越しをされる方も多いのではないでしょうか。急に東北に引っ越しが決まったという方や移住を検討しているけど、住みやすいの?といった疑問を持っている方向けに東北6県の特徴をご紹介します。
指標として気象庁のアメダスデータ平年値(1991~2020年の30年間の平均値)より

夏の暑さを「8月の最高気温が30℃以上の日数」
冬の寒さを「1月の最低気温が0℃以下の日数」
冬の日照時間を「1月の日照時間が0.1時間未満の日数」(くもりや雨、雪の日)
冬の積雪を「1月の積雪が5cm以上の日数」

で比較しています。それでは南部から見ていきましょう。

福島県は、地域によって気候が全く異なる

縦に会津、中通り、浜通りに分けられます。地域によって気候が大きく異なり、会津地方は、会津若松をはじめ城下町で多くの観光名所があります。気候は日本海から冬の季節風が流れ込み、日本海側の気候で、冬は豪雪になる所もあります。車道の除雪などは管理者が行うため、心配いりませんが、自宅の屋根や車の雪下ろしが必要です。
中通りは、福島、郡山など新幹線の通る主要な都市がありますが、いずれも盆地のため、熱が逃げにくく夏は30℃を超える日が多くなりますが、冬の積雪は少なくなります。
浜通りは、スパリゾートハワイアンズのあるいわき市など太平洋に面しているため漁業が盛んで、沿岸性の気候のため冬は晴れてほとんど雪が降らず、夏も海風が吹き比較的涼しいです。

宮城県は、東部は気候が穏やかで住みやすく人口が集中

東北で最も大きな都市である仙台は東北唯一の地下鉄があり、利便性が高いため人口が集中し、郊外へ宅地化が進んでいます。仙台の広い範囲が属する東部は、日本三景の松島や仙台港をはじめとする漁港があり、観光や海産物で有名です。気候は海風により、夏は気温の上昇が抑えられ、冬も比較的暖かく過ごしやすいです。雪もほとんど積もりません。
一方、西部は広い範囲で山地となるため、冬は積雪があり、スキー場や温泉地などは西部に集中しています。

山形県は夏は暑く、冬は内陸部で豪雪に

県庁所在地の山形市は村山に属し、内陸部で盆地のため夏は暑く、冬は冷えるのが特徴です。夏の暑さから「冷やしラーメン」や「冷たい肉そば」といった名物も広く親しまれています。また、蔵王温泉や樹氷もこの地域です。
置賜や最上は内陸の山地が近く、季節風が山にぶつかるため雪が多いです。よく豪雪地として取り上げられる「肘折」はこの地域で、朝に車で出発する前に除雪し、夕方帰宅する前に再度車の雪下ろしが必要になるほど急激に積雪することがあります。
一方、庄内エリアでは、沿岸部で雪が風で流されるため、ふぶきなどはあるものの雪が積もりにくい傾向です。

岩手県は、日本第2位の面積、内陸は冬に-10℃近く冷えることも

岩手県は北海道に次ぐ都道府県第2位の面積で、都市間の移動距離が非常に長くなります。内陸と沿岸部で気候がまったく異なります。内陸に属する盛岡市は、冬の冷え込みが強く、0℃以下の日数をみると北にある青森県の青森市よりも多くなっています。積雪量はそこまで多くないですが、一度降ると、夜は-10℃近くなることもあるため凍り、アイスリンクのようにツルツルになることも多いです。このように冬は厳しい寒さですが、盛岡の三大麺として「わんこそば」「じゃじゃ麺」「冷麺」といった独特の食文化があります。
一方、沿岸部は漁業が盛んで、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となった久慈市をはじめとする北三陸があります。気候は安定していて、夏は比較的涼しく、冬は雪の積もることは少ないです。

秋田県は日照少なく雪が多いが、地域で助け合いながら乗り越える

秋田県は、日本海側の気候で、冬は特に日照時間が短くなっています。そのため、秋田美人に代表されるように白い肌になりやすいといわれており、その反面、うつ病などのリスクが高まりやすい傾向にあります。
冬は南よりで季節風が入ると内陸のB級グルメの「横手やきそば」がある横手市や「日本三大花火大会」で有名な大曲が属する大仙市を中心に湿った雪が降り、豪雪による交通障害に繋がりやすいです。北よりに変わると沿岸部の秋田市などでも乾いた雪が多くなりやすいです。地方を中心に昔からの地域のつながりを重視しているため、雪下ろしや農業など助け合う姿が見られます。また、秋田新幹線の秋田ー大曲間では、後ろ向きに走る珍しい体験ができます。

青森県は、気温が低く、水道管の凍結などに注意

本州で最も北に位置し、北西の季節風が八甲田連峰にぶつかって雪が多くなります。このため、県庁所在地の青森市の属する津軽や下北を中心に豪雪となります。
一方、いかの漁業などが有名な三八(さんぱち)上北(かみきた)では太平洋側の沿岸性の気候で雪は比較的少なめです。ただ、各地で冷え込みが強くなります。夜間に蛇口を少し開けておき、水道管の水抜きする方法がありますが、気温の比較的高い関東ではOKでも、青森県などでは、凍ってしまう場合があります。事前に元栓を確認し、水を出しっぱなしにしたまま元栓を閉めて水道管に残っている水をしっかりと出しましょう。

いかがでしょうか。東北は寒くて雪が多いマイナスのイメージを持つ方も多いかと思いますが、人は温かく、美味しい食べ物も多く、広大な自然を楽しめます!今回は夏の暑さや冬の寒さや雪にしぼってお話をしましたが、聞きたいことなどがあれば「お問い合わせ」からご意見いただけますと幸いです。

<参考>
気象庁 気象予報区区分表(東北):
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/saibun/
気象庁 過去の気象データ検索:
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
青森市HP:
https://www.city.aomori.aomori.jp/doro-iji/shiseijouhou/matidukuri/yuki-taisaku/09/01/01.html